1989 Fiscal Year Annual Research Report
小児の巨核球性白血病の芽球の電顕細胞化学的特性-成人との比較検討-
Project/Area Number |
01570547
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
江口 光興 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (60020799)
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Keywords | 巨核球性白血病 / 血小板ペルオキシダ-ゼ / ペルオキシダ-ゼ / 電顕細胞化学 / 巨核球 |
Research Abstract |
巨核球性白血病および類縁疾患47例を対象とした。内訳はダウン症候群に伴う小児の巨核球性白血病19例、その他の小児の巨核球性白血病18例、成人例(CMLの巨核球クリ-ゼを含む)10例である。これらの症例について(1)グルタ-ルアルデヒド、オスミウム二重固定による微細構造、(2)血小板ペルオキシダ-ゼ、(3)酸性フォスファタ-ゼ、(4)ミエロペルオキシダ-ゼ、(5)酸性ムコ多糖類、その他糖化合物、などの電子顕微鏡的観察をおこなった。 結果 1.ダウン症候群に伴ったものではθ顆粒、好塩基顆粒なども存在し、巨核球以外への分化もうかがわせた。 2.ダウン症候群を伴わない小児の巨核球性白血病はα顆粒などを欠き未熟な形態を示す細胞が多かった。 3.成人のケ-スではかなり成熟をうかがわせる微細構造をしめすものから未熟な細胞の多い症例まで幅があった。 4.血小板ペルオキシダ-ゼは20〜98%の芽球に陽性を示した。小児、成人など各グル-プ間に陽性度の著明な差はなかった。 5.ミエロペルオキシダ-ゼはmixed typeに陽性度が高く、他のタイプでは殆ど陰性であった。 6.酸性フォスファタ-ゼはelectron lucentの顆粒に陽性であった。この顆粒は成人では少なかった。 7.過よう素酸反応性糖化合物は顆粒、GERL、グリコ-ゲン粒子などに陽性であった。リンパ性白血病や骨髄性白血病に比較して、GERLの発達は良好で、cell coatの発達もよかった。巨核球性白血病のグリコ-ゲン粒子は血小板のそれよりすくなかった。 以上のように成人と小児の巨人核球性白血病に電顕上差がみられた。
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[Publications] Mitsuoki Eguchi,H.Sakakibara,J.suda,T.Ozawa,Y.Hayashi,T.Sato,S.Kojima,T.Furukawa: "Ultrastructaral and ultracytochemical differences between transient myeloproliferative disorder and megakaryoblastic leukemia in Down's Syndrome." British Journal of Haematology. 73. 315-322 (1989)