1990 Fiscal Year Annual Research Report
アトピ-皮皮膚炎における環境抗原アレルギ-に対する気道アトピ-素因の影響
Project/Area Number |
01570563
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
上原 正巳 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (70026871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 一夫 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90196155)
杉浦 久嗣 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (00162868)
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Keywords | アトピ-性皮膚炎 / 気道アトピ- / 食物アレルギ- / 納豆IV型アレルギ- / 貼布試験 / リンパ球幼若化試験 |
Research Abstract |
成人アトピ-性皮膚炎患者116名を対象にして、食物抗原20種類を用いて貼布試験を施行した結果、陽性率は納豆23%、大豆10%、卵7%、牛乳4%、シイタケ15%、カツオ16%などの成績が得られたが、最も高い陽性率を示したのは納豆であった。 そこで納豆蛋白を高速液体ゲルクロマトグラフィ-で分析し、分子量の大きさの順に3分面(分面工:分子量3万以上、分画II:分子量1〜3万、分画III:分子量1万以下)に分けた。これらの分画を用いて、アトピ-性皮膚炎患者25名においてスクラッチ・テスト・貼布試験、リンパ球幼若化試験を施行した。また大豆抗原をコントロ-ルに用いて、納豆(発酵した大豆)との抗原性の差異を検討した。納豆スクラッチ・テストは2例で陽性であったが、この2例は気道アトピ-合併例であった。貼布試験の陽性率は納豆原液36%、分画I8%、分画II32%、分画III12%、大豆16%であった。納豆スクラッチ・テスト陽性の2例中1例は貼布試験も陽性であった。リンパ球幼若化試験の陽性率は納豆原液42%、分画I17%、分画II33%、分画III23%、大豆25%であった。納豆貼布試験陽性部の炎症細胞構築をモノクロ-ナル・酵素抗体法で調べた結果、炎症細胞の主体はTリンパ球であり、その中に多数のOKT6陽性細胞が混在した。浸潤Tリンパ球の大多数はヘルパーT細胞であり、サプレッサ-T細胞は少数であった。 以上の成績より、成人アトピ-性皮膚炎患者の約30%は納豆IV型アレルギ-を有すること、納豆IV型アレルギ-は気道アトピ-合併の有無とは関係なく起こること、および納豆と大豆は抗原性が異なることが明らかになった。 今回の成績に基づいて、今後は、納豆IV型アレルギ-陽性例に納豆の投与試験を施行し、その臨床的意義を検討したい。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 上原 正巳: "アトピ-性皮膚炎と食物ー除去:投与試験と臨床経過" 皮膚科の臨床. 32. 87-90 (1990)
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[Publications] 上原 正巳: "アトピ-性皮膚炎の臨床的特微と食物アレルギ-の関係" Therapeutic Research. 11. 2553-2557 (1990)
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[Publications] Masami Uehara: "General management of atopic dermatitis" Asian Medical Journal. 33. 477-483 (1990)
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[Publications] 上原 正巳: "アトピ-性皮膚炎と抗原食物" Japanese Journal of Parenteral and Enteral Nutrition. 13. 127-129 (1991)
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[Publications] 佐々木 一夫: "アトピ-性皮膚炎におけるダニアレルギ-反応:I型アレルギ-反応とIV型アレルギ-反応の抗原分析" 皮膚科紀要. 86. (1991)