1989 Fiscal Year Annual Research Report
クロ-ン化デスモグラキンcDNAの解析と生物学的応用の検討
Project/Area Number |
01570575
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
橋本 隆 慶応義塾大学, 医学部・皮膚科, 講師 (20129597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉 俊之 慶応義塾大学, 医学部・皮膚科, 助手 (00179128)
木花 光 慶応義塾大学, 医学部・皮膚科, 講師 (90138082)
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Keywords | デスモゾ-ム構成蛋白 / 免疫ブロット法 / 金コロイド免疫電顕 / cDNAクロ-ニング / ノ-ザンブロット法 / 塩基配列解析 / リコンビナント蛋白 / 細胞接着機構 |
Research Abstract |
私どもの作成したモノクロ-ナル抗体(MAb)は、当初、デスモゾ-ム構成蛋白desmoplakin I、II(それぞれ分子量約250kD、210kD)と反応すると考えられた。しかし、さらに詳細な免疫ブロット法検索の結果、約700kDの巨大分子と反応することが判明し、immunogold免疫電顕によりデスモゾ-ムに特異的に反応することが示され、このMAbは全く新しいデスモゾ-ム構成蛋白を認識することが明らかとなった。 私どもは、この蛋白を多量に産生するマウス表皮細胞Pam cellよりmRNAを抽出し、cDNAを合成し、λZAP II発現ベクタ-を用いてcDNAライブラリ-を作成した。このMAbによりcDNAライブラリ-を免疫スクリ-ニングし9個の陽性クロ-ンを得た。これらのファ-ジベクタ-より制限酵素ないしヘルパ-ファ-ジによりインサ-トを切出しプラズミドpBluescriptにサブクロ-ニングした。これらのインサ-トは2-4kbの比較的大きなものであった。IPTGにより発現させたリコンビナント蛋白を免疫ブロット法により解析し、すべてのリコンビナント蛋白がこのMAbと特異的に反応することを確認した。制限酵素地図を作成し、M13ジデオキシ法(Sanger法)により部分的塩基配列を決定した。さらに、Pam cellより抽出したmRNAを用いたノ-ザンブロット解析により、これらのcDNAは約15kbと13kbの二つのメッセ-ジとハイブリダイズすることが示された。これらの結果は、私どもの得たクロ-ンが全く新しい蛋白をコ-ドしていることを裏付けるものであった。 今後、これらのクロ-ンを用いてcDNAライブラリ-を再スクリ-ニングすることにより、この蛋白の全cDNAをクロ-ニングしたい。これにより、この蛋白の構造および他のデスモゾ-ム構成蛋白、およびケラチンとの関連が明らかになることは、細胞接着機構の研究に大きな進歩をもたらすものと考える。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takashi Hashimoto: "Detection of pemphigus vulgaris and pemphigus foliaceus antigens by immunoblot analysis using different antigen sources" J.Invest.Dermatol.
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[Publications] Marilia M.Ogawa: "Immunoblot analysis of Brazilian pemphigus foliaceus antigen using different antigen sources." Arch.Dermatol.Res.