1989 Fiscal Year Annual Research Report
正常および悪性角化細胞の遊走能に及ぼす各種生理活性物質の効果について
Project/Area Number |
01570576
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
森岡 眞治 順天堂大学, 皮膚科, 講師 (60112710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 志斈 順天堂大学, 皮膚科, 助手 (40193198)
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Keywords | 角化細胞 / 遊走 / 創傷治癒 / 生理活性物質 |
Research Abstract |
目的:正常および悪性角化細胞の遊走に及ぼす各種生理活性物質の効果については未だ解明されていない。正常ヒト角化細胞については、既に我々は細胞培養系における遊走能実験モデル(創傷治癒過程における遊走実験モデル)を独自に開発し、角化細胞の遊走能発現にはPlasminogen Activatorの関与が重要であることを報告した。今回はこれを更に進展させ、この実験モデルを用いて、更に正常表皮角化細胞の遊走能を高めるような生理的活性物質、即ち (1)体液性因子(各種Growth Factorなど)、 (2)正常in vivo皮膚において角化細胞を取り囲む種々の細胞外基質、 (3)角化細胞を取り囲む線維芽細胞などより産生されるサイトカインを含む培養上清中に遊走促進因子が存在するか否かを、正常角化細胞培養系において細胞遊走実験を行なった。 結果:(1)in vivoにおいて体液を介して影響を及ぼすと考えられる各種Growth Factor、Hormoneなどの中よりEpidermal Growth Factor(EGF)、Insulin、Chorela Toxin、Hydrocortison、Vitamin A、D_3などを各種濃度となるよう添加し、角化細胞の遊走能を測定・比較した。これらの中ではEGF(4ng/ml)が正常角化細胞の遊走能を最も促進することが判明した。EGFが、生理的に重要な遊走促進因子の一つであることが示唆された。 (2)角化細胞を取り囲む細胞外基質の存在が遊走能(創傷治癒)に及ぼす影響を検索した。 とくにFibronectin、Laminin、Collagen Type I、III、IVなどの影響を検討したが、細胞外基質非存在下に比べ有意に遊走の促進を認めたが、これらの細胞外基質間での差異は著明ではなかった。現在、更に確認実験中である。
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Research Products
(1 results)