1989 Fiscal Year Annual Research Report
ナルコレプシ-発症に関与するHLA領域遺伝子群の解析
Project/Area Number |
01570600
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
徳永 勝士 東京大学, 医学部(病), 助手 (40163977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 裕 神経研究所, 所長 (90010305)
十字 猛夫 東京大学, 医学部(病), 教授 (20009997)
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Keywords | ナルコレプシ- / HLA-DR / HLA-DQ / PCR / パルスフィ-ルドゲル電気泳動 |
Research Abstract |
1.ナルコレプシ-患者のHLA型について血清学的解析を進め、現在までに250例異常を検査した結果、例外なくDR2およびDQW1を認めた。健常人とは、10^<-20>以下の高度な有意差が示され、相対危険率はそれぞれ990および230以上に達した。 2.ナルコレプシ-患者がもつHLA型をより詳細に解析するため、ポリメラ-ゼ連鎖反応(PCR)法を導入して、DNA塩基配列レベルの分析を行った。その結果、患者のもつDR2型のDRB5遺伝子とDQW1型のDQB1遺伝子の塩基配列は、現在までの解析からは、健常人のそれと全く同じであり、相違は見い出されていない。 3.巨大なDNA断片を分離することができるパルスフィ-ルドゲル電気泳動を用いて、患者のDR及びDQ領域の大規模な遺伝子構成を解析し、健常人における結果と比較した。現在まで、ナルコレプシ-に特異的な大規模変異は見いだされていないが、興味深いことに、この疾患と相関するDR2の亜型DW2をもつハプロタイプは、もう一つの亜型DW12をもつハプロタイプ(健常人に多い)と比較して約10kb短いことが示唆された。これが何らかの遺伝子の欠失を伴うものであれば、ナルコレプシ-との関連が注目されるので、さらに制限酵素の種類も増やして解析を続けている。 4.ナルコレプシ-に類似する睡眠異常疾患である真性傾眠症(EHS)においても、PCR法によるHLA-DR遺伝子のDNAタイピングを行った結果、EHSにおいてもDR2/DW2亜型が54%みられ健常人に比べて有意に上昇しており、診断上有用であることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 徳永勝士,松木一雅,渡辺嘉久,十字猛夫,本多裕: "PCR法によるHLAクラスII遺伝子のDNAタイピング:ナルコレプシ-への応用" 日本輸血学会雑誌. 35. 282 (1989)
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[Publications] N.Uryu,M.Maeda,Y.Nagata,K.Matsuki,T.Juji,Y.Honda et al.: "No difference in nucleotide equence of the DQβ β1 domain between narcoleptic and healthy individuals with DR2,DW2" Human Immunology. 24. 175-181 (1989)
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[Publications] K.Tokunaga,S.Kuwata,K.Matsuki,T.Juji,et al.: "Analysis of HLA class II genes in narcolepsy." Jpn.J.Human Genet.35. (1990)
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[Publications] 佐々木司,本多裕: "ナルコレプシ-" Clinical Neuroscience. 7. 54-55 (1989)
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[Publications] Y.Watanabe,K.Tokunaga,K.Matsuki,et al.: "Putative amino acid sequence of HLA-DRB chain contributing to rheumatoid arthritis susceptibility" J.Exp.Med.169. 2263-2268 (1989)
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[Publications] 佐々木司,本多裕,松木一雅,徳永勝士,他: "Polymerase chain reaction(PCR)法によるナルコレプシ-と真性傾眠病(EHS)のDR2/DW2 haplotypeの解析および臨床所見との関連性" 第14回日本睡眠学会発表.