1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570618
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
大原 貢 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40065537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 勝人 愛知医科大学, 医学部, 助手 (90148338)
林 拓二 愛知医科大学, 医学部, 講師 (80173011)
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Keywords | 精神分裂病 / 非定型精神病 / CT scan / ^<123>I-IMP SPECT / 多変量解析 |
Research Abstract |
我々は68名の幻覚妄想を有する内因性精神病患者を、精神分裂病と非定型精神病とに分類してそれぞれのCT所見を検討し、正常対照群と比較して次のごとき結論を得た。即ち、1)精神分裂病と非定型精神病とは、それぞれ対照群と有意のCT所見を示す。2)これらの内因性精神病はCT所見の相関行列の分析からVBR型、大脳縦列型、右側頭葉型の3型に分類される。3)CT所見のクラスタ-分析による検討により、分裂病群は著しい脳室拡大を特徴とし、非定型精神病は右シルビウス裂の開大所見を主たる所見とする。4)バラフレニ-群は非定型精神病群と類似のCT所見を示す。これらの研究結果は、我々の研究グル-プの林が「非定型精神病のCT所見-多変量解析による検討」の題で、論文として発表した。 次に、これらの症例の中の23例でCT-densityを測定したところ、精神分裂病と非定型精神病とはいずれも対照群と有意な差を認めなかったが、上記のクラスタ-分析による研究で示された亜型分類の中で、脳室拡大が顕著な一群には前頭葉に有意の高CT-densityを認めた。 これらの所見は、我々が予測していたように、非定型精神病といわゆる「精神分裂病」とは病因的に区分され、それぞれの疾患はさらにいくつかの疾患群に類別される可能性を示唆している。 我々はさらにIMP-SPECTによる研究を行っている。しかし、内因性精神病の症例は徐々に増えているもののなお数は少なく、正常対照群との比較による分析は平成2年度に行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 林拓二: "非定型精神病のCT所見-多変量解析法による検討-" 愛知医科大学医学会雑誌. 17. 609-625 (1989)
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[Publications] 林拓二: "精神分裂病のCT-densityについて" 愛知医科大学医学会雑誌.
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[Publications] 須賀英道: "精神科領域における^<123>I-IMP SPECT法を用いた局所脳血流の検討" 愛知医科大学医学会雑誌.
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[Publications] HAYASHI,T: "Multivariate Analyses of CT Findings for Atypical Psychosis." European Archives of Psychiatry and Neurological Sciences.