1989 Fiscal Year Annual Research Report
家族性高コレステロ-ル血症における血小板機能亢進と魚脂多価不飽和脂肪酸による治療
Project/Area Number |
01570626
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
平井 愛山 千葉大学, 医学部付属病院第二内科, 助手 (10189813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 泰 千葉大学, 医学部内科学第二, 講師 (90009671)
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Keywords | 家族性高コレステロ-ル血症 / 血小板 / プロスタサイクリン / トロンボキサンA_2 / 多価不飽和脂肪酸 / エイコサペンタエン酸 / ドコサヘキサエン酸 |
Research Abstract |
(1)コレステロ-ルに富むリポゾ-ムを用いて人為的に血小板膜コレステロ-ル含量を増加させた血小板を作成し、TXA_2刺激による血小板活性化機構の異常について検討した結果、TXA_2による血小板凝集の亢進が認められ、血小板活性化のプロセスについて詳細に検討したところ、血小板膜コレステロ-ル含量の増加とともにTXA_2の受容体数が増加しており、それにともない血小板膜リン脂質代謝回転ならびにカルシウム動員が亢進していることが判明した。 (2)PGI_2の安定な尿中代謝産物の測定法の確立:血管壁により産生されるプロスタサイクリン(PGI_2)は強力な血小板凝集抑制作用とともに血管拡張作用を有し血栓形成ならびに動脈硬化症の発症進展において極めて重要な役割をはたしていると考えられている。しかしながら血管壁におけるPGI_2産生能についてはその評価方法が確立されておらず、FHCをはじめとする血管病変の生ずる諸疾患においてPGI_2産生能がどのように変化するのかはいまだ不明であった。そこで今回新たに生体のPGI_2産生能を評価するべく、PGI_2の主要な代謝産物でしかも尿中に排泄される2,3 dinor 6-keto PGF_1α(2,3-D)の抽出精製ならびにRIAによる測定法を確立した。 (3)in vitroの系を用いた魚脂多価不飽和脂肪酸(EPAおよびDHA)に富むヒト血小板の調製法の確立:EPA・DHAは血小板膜リン脂質に取り込まれ細胞膜の性状の変化をもたらすことにより抗血小板作用をあらわすことが知られている。本研究ではFHC患者における血小板機能亢進状態の是正手段としての魚脂多価不飽和脂肪酸の有用性について臨床的観点から検討を加えつつあるが、一方これらの脂肪酸の作用機序を血小板膜のレベルで明らかにするため新たにin vitroの系を用いたEPAおよびDHAに富む血小板の調製法を確立した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Hirai,T.Terano,Y.Tamura and S.Yoshida: "Eicosapentaenoic acid and adult disease in Japan-epidemiological and clinical aspects." J.Internal Medicine. 225. 69-75 (1989)
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[Publications] T.Tomizuka,K.Yamamoto,A.Hirai,Y.Tamura and S.Yoshida: "Hypersensitivity to thromboxane A_2 in cholesterol-rich human platelets." Thrombosis and Haemostasis(under submission).
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[Publications] 平井愛山,田村泰: "ビタミンハンドブック,No.5,“ビタミンと医学"" 65-68 (1989)
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[Publications] A.Hirai,T.Terano,H.Saito,and Y.Tamura: "Current Topics in Nutrition and Disease,Vol.22,Ed.by G.A.Spiller and J.Scala," Alan R.Liss,Inc.,New York,229-252