1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570631
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴崎 芳一 東京大学, 医学部(病), 助手 (80196419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶尾 裕 東京大学, 医学部(病), 医員
小田原 雅人 東京大学, 医学部(病), 医員
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Keywords | インスリン / 転写調節 / DNA結合蛋白 / c-fos / シグナル伝達 |
Research Abstract |
インスリンにより反応するmRNAを解析したところフェリチンと相同性の高いクロ-ンが得られたが、他は既知のmRNAとは異なるものであった。これらをすべて遺伝子を単離して、上流を含む調節領域を解析するのは不可能なのでいくつかのクロ-ンについて解析している。調節領域をクロラムフェニコ-ルアセチルトランスフェラ-ゼ(CAT)遺伝子に結合させてCAT活性を測定する方法を用いている。 その中の1つc-fosはすでにインスリン作用時に転写が増加することが知られている。その上流-500へ+45をCATに結合して、アッセイするとインスリンの有無により活性が変化するため,この領域にインスリンからのシグナルを受け入れる部位があると想像された。上流より(1)-404,(2)-220,(3)-50,(4)0の欠失を作成しそれぞれのCAT活性を測定すると、-220で急激に低下した。c-fosプロモ-タ-のこの領域には-300近辺にGATGTCCATATTAGGACATCのdyad symmetry element(DSE),-280付近にAP-1様結合部位がある。DSEはserumによりc-fosが上昇する際に重要と考えられている部位であるのでserum response element(SRE)の名もある。DSEをヌクレオチドで人工合成し、インスリン反応前後の細胞核抽出物と反応させると結合するバンドが検出されたが、前後で量的な変化はなかった。そこで-220まで欠失したCATプラスミドに上記合成DSEを挿入してCAT活性を測定したが、-500まで含んだプラスミドほど反応が上昇しなかった。プラスミドのデザインが適切でない可能性もあるが、インスリンからのシグナルはSREとは別の部位にはいる可能性も残している。
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