1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570639
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桑島 正道 大阪大学, 医学部, 助手 (00205262)
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Keywords | 肝グリコ-ゲン / フルクト-ス2,6ービスリン酸 / インスリン / グルカゴン |
Research Abstract |
in vivoでの糖代謝とその異常についての研究をすすめるにあたり、本研究代表者は肝臓の役割を研究課題とし、ラットを用いた研究で、絶食後新たに合成される肝グリコ-ゲンの1/2〜2/3は乳酸やピルビン酸など三炭糖を基質として糖新生系を介して合成されることを見い出している。この結論は、ラットだけでなくヒトでも、いくつかの研究室で確かめられるようになった。 肝のフルクト-ス-2,6ービスリン酸(F2,6P_2)は糖新生系Fluxの指標とされているので、ラット、種々の糖質を胃内あるいは静脈内に持続注入し、その濃度を測定した。同時に、血中インスリン、グルカゴン、GLPーIなどの濃度を測定し、F2,6ーP_2が血中のどのような因子によって規定されているかを分析した。その結果、フルクト-スやグルコ-スを注入した場合F2,6ーP_2はグリコ-ゲンが合成されているのに数時間持続的に低値を保った。しかし一方、蔗糖を注入した場合は、直後よりF2,6ーP_2レベルは上昇することを明らかにした。また、肝のF2,6ーP_2レベルは血中のインスリン・グルカゴン比によって規定され、GLPーIには相関しないこともわかった。また、F2,6ーP_2レベルは合成酵素の活性型(脱リン酸型)と相関することがわかった。 また、インスリンだけでなく、インスリン受容体抗体を含むIgG分画もグルカゴン存在Fでは培養肝細胞のF2,6ーP_2レベルを上昇させる作用を持っていることもわかった。この真実は、この抗体を持つ患者の低血糖を説明できると思われた。
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[Publications] H.Kiyokawa: "Hyperinsulinemia due to impaired insulin clearance associated with fasting hypoqlycemia and postprandial hyperglycemia:an analysis of a patient with antiinsuline receptor antibodies" J.Clin.Endocrinol.Metab.69. 616-621 (1989)
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[Publications] H.Kiyokawa: "Autoantibodies to the insulin receptor impair clearance of plasma endogenous insulin" Diabetes Res.Clin.Pract.7. S41-S44 (1989)