1989 Fiscal Year Annual Research Report
老化促進モデルマウス(SAM)の痴呆行動に及ぼす神経ペプチド(NPY)の分子生物学的研究
Project/Area Number |
01570642
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
乾 明夫 神戸大学, 医学部, 助手 (80168418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 泰昭 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (60135796)
老籾 宗忠 神戸大学, 医学部, 助教授 (80030857)
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Keywords | PPファミリ-ペプチド / 脳内受容体 / SAMマウス / 学習行動 / 視床下部・下垂体・副腎系 / 摂食行動 / 分子生物学 |
Research Abstract |
1.無麻酔下でのマウス脳室内投与システムの完成 マウスの研究.特に脳室内ペプチド等を注入し、食行動・学習行動や代謝・内分泌系への影響を観察する場合、ほとんどが麻酔剤を使用したり、実験直前にカニュ-レを脳室内刺入するやり方であった。我々はこれらの点を改良し、細いカニュ-レを慢性的に第四脳室内に留置し、任意に脳室内に投与しうるシステムを確立した。この操作は、マウスの運動能力や学習行動に影響を与えず、更にスコポラミンに対する反応性が、従来の麻酔剤使用の場合より低容量側にシフトすることなど、極めて有用であることを報告した。 2.マウスの学習行動及び食行動評価モデルの確立 神経ペプチドの多面性、特にNPYの作用を考慮する際には、学習行動と食行動の両者を検討する必要がある。我々はマウスの学習行動をpassive avvidance water mageなどを改良して用い、同時に(連続して)食行動を評価するシステムを採用し、VPT作用のおそらくは受容体レベルでの多面性を報告した。 3.PPファミリ-ペプチド脳内受容体の解析 ホ乳類の脳内にPTY受容体が広く存在し、分子量50kDaの蛋白質であり、G蛋白と連関していること、更にNPT受容体と同一分子サイズを有する蛋白であり、NPY、PYYが脳内の共通の受容体(複数)を介し、作用を営む可能性を報告した。現在SAMマウスをはじめ、各種病態モデル動物を用いて、PPファミリ-ペプチド受容体の病態上の意義に関し、検討中である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Inui Akio: "Neuropeptide regulation of feeding in the day" An J Physiol.
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[Publications] Inui Akio: "Characterization of the receptors for peptide YY and avian pancreatic polypeptide in the chickin and pig brains" Endocrinology.
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[Publications] Nakajima Masaharu: "Negative and positive affections on memory formation of the mouse as observed in passive avoidance and escape test paradigm:Effects of intracerelxoventradarly injected scopolamine" Brain Res.
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[Publications] Inui Akio: "Effect of cholecystokinin octapeptide analogues on food intake in the dog" An J.Physiol. 257. R946-R951 (1989)
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[Publications] Inui Akio: "Characterrization of peptide YY receptors in the brain" Endocrinology. 124. 402-409 (1989)
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[Publications] Inui Akio: "Brain neuropeptide Y in the control of adrenocorticotropic hormone secretion in the dog" Brain Res. 510. 211-215 (1990)
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[Publications] Baba Shigeki: "Diabetes 1988" Excerpta Medica, 1243 (1988)
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[Publications] Inui Akio: "Neuroendocrine Perspectives(vol8,in press)" SpringerーVerlag, (1990)