1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570647
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
和泉 元衛 長崎大学, 医学部, 助教授 (80039552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 助手 (30200679)
平湯 秀司 長崎大学, 医学部, 助手 (50165213)
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Keywords | 甲状腺癌 / レチノ-ル酸 / 分子生物学 |
Research Abstract |
甲状腺癌発生機構の解明を行なうため、甲状腺特異蛋白である甲状腺ペルオキシダ-ゼ(TPO)とサイログロブリン(Tg)の遺伝子発現に関する基礎検討を各種サイトカイン(インタ-ロイキン1及び6、インタ-フェロンγ)とレチノ-ル酸を用いて行なった。 上記三つのサイトカインではいずれもTPOの遺伝子発現を抑制し、インタ-ロイキン1はTgの遺伝子発現を抑制した。これらに関してはすでに論文報告を行なった。レチノ-ル酸に関しては、正常甲状腺細胞と甲状腺癌細胞の単層培養系を用いて、現在検討中である。1μモルのレチノ-ル酸は3日間の培養によって、正常甲状腺細胞及びラット甲状腺細胞(FRTL-5)におけるTPO遺伝子発現を抑制した。またレチノ-ル酸は正常甲状腺細胞の増殖には影響しなかった。この結果は、第10回世界甲状腺学会を含め、平成2年度の国内学会に報告予定である。またクロ-ン化された甲状腺癌細胞株におけるTPO遺伝子のメチル化及びその遺伝子発現や、TPO蛋白の酵素活性を測定中であり、一部有用な結果を得つつある。 一方、レチノ-ル酸と甲状腺ホルモンの相互作用について下垂体細胞を用いて検討を行なった。成長ホルモン合成・分泌に対して、レチノ-ル酸と甲状腺ホルモンは相加作用を示した。この結果は現在論文印刷中であり、現在甲状腺細胞を用いて同様の検討を行なっている所である。 今後も手術時に得た甲状腺癌細胞等を用いて細胞増殖やTPO・Tg遺伝子発現に対するレチノ-ル酸の作用を検討していく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Morita,K.Matsuo,M.Tsuruta,S.Leng,S.Yamashita,M.Izumi and S.Nagataki: "Stimulatory effect of retinoic acid on GH gene expression:the interaction of retinoic acid and tri-iodothyronine in rat pituitary cells" Journal of Endocrinology. 125. (1990)
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[Publications] K.Ashizawa,S.Yamashita,T.Tobinaga,Y.Nagayama,H.Kimura,H.Hirayu,M.Izumi and S.Nagataki: "Inhibition of human thyroid peroxidase gene expression by interleukin 1" Acta Endocrinologica(Copenh). 121. 465-469 (1989)
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[Publications] S.Yamashita,H.Kimura,K.Ashizawa,Y.Nagayama,H.Hirayu,M.Izumi and S.Nagataki: "Interleukin 1 inhibits thyrotropin-induced human thyroglobulin gene expression" Journal of Endocrinology. 122. 177-183 (1989)
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[Publications] K.Ashizawa,S.Yamashita,Y.Nagayama,H.Kimura,H.Hirayu,M.Izumi and S.Nagataki: "Interferon-γ inhibits thyrotropin-induced thyroidal peroxidase gene expression in cuultured human thyrocytes" Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism. 69. 475-477 (1989)