1989 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺ペルオキシダ-ゼの甲状腺炎誘起性エピト-プの同定
Project/Area Number |
01570650
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
小谷 富男 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (10161936)
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Keywords | マウス甲状腺炎 / ブタTPO / T細胞株 / 甲状腺炎誘起性エピト-プ |
Research Abstract |
C57BL/6マウス(B_6)にブタTPO(pTPO)を免疫することにより誘発出来る甲状腺炎の発病機構解析の目的で、B_6リンパ節細胞から樹立したpTPO特異的T-cell lineによる甲状腺炎の誘発とVaccinationおよびpTPO上の甲状腺炎誘起性エピト-プの同定を行った。 T-cell lineを正常B_6に移入すると3日後に甲状腺炎が観察された。T-cell lineをattenuate後B_6に免疫し、このB_6にT-cell lineあるいはpTPOによる甲状腺炎誘発を試みると発病は有意に抑制された(in press)。 エピト-プの同定はpTPO断片および合成ペプチドを抗原として、pTPO感作T-cellの増殖をみる系とこれらの抗原でB_6を免疫し甲状腺炎を誘発する系で行った。pTPOをBrCNで切断後逆相カラムにかけピ-クを含むA〜Fのフラクションに分けることが出来た。これらの分子構成をトリシンを用いたSDS-PAGEにより検討するとCとDはそれぞれ1本のbandを示したがEは2本、Fは多致のbandを示した。AとBは微小断片のためSDS-PAGEでは同定不能であった。DとEは9,600Daの共通するbandをSDS-PAGEで示し、B_6に免疫したところ甲状腺炎を誘発した。この断片のアミノ酸配列をN端から20個決め、cDNAから推測される一次構造と比較すると、75%合致する部位があった。既知のT-cellエピト-プデ-タを参考にして、各々29アミノ酸からなる隣接する2本の合成ペプチドを作製し、T-cell増殖と甲状腺炎誘発の系で検討した。片方で弱いながらもT-cell増殖が観察され病変も誘発した。このペプチドを更に各々15アミノ酸のペプチドに分割し同様の検討を行うと一方のみが有効であった。この15アミノ酸からなるペプチドが甲状腺炎誘起性エピト-プを含むと考えているが、9.600Daのフラグメントには他にもT-cellエピト-ブと思われる部位があり現在検討中である。
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