1989 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトコロニ-刺激因子(GM-CSF及びIL-3)受容体の研究
Project/Area Number |
01570675
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮園 浩平 東京大学, 医学部(病)・第三内科, 助手 (90209908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細井 孝行 東京大学, 医学部(病)・第三内科, 医員
宮川 清 東京大学, 医学部(病)・第三内科, 医員
石川 冬木 東京大学, 医学部(病)・第三内科, 助手 (30184493)
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Keywords | 造血因子 / コロニ-刺激因子 / GM-CSF / インタ-ロイキン3 / 受容体 |
Research Abstract |
本年度はヒトGM-CSFとインタ-ロイキン3(IL-3)受容体の生化学的研究を行った。GM-CSF受容体はこれまで単一の分子と考えられていたが、我々はGM-CSF受容体が少なくとも2つ以上のタンパク質から構成されることを明らかにした。このうちαサブユニット(分子量85kd)はGM-CSFの低親和性の結合に関与しており、1989年12月にオ-ストラリアのグル-プよりcDNAクロ-ニングが発表されたものと同一であると考えられる。もう1つの分子であるβサブユニットは分子量135kdでGM-CSFの高親和性の結合に関与していることが明らかとなった。ヒトIL-3レセプタ-は白血病細胞株TF-1を用いて検討し、分子量135kdと70kdの2種類であることを見出した。 最近、造血因子が非血球系細胞の一部に種々の作用を示すことが明らかとなったことから、GM-CSFとIL-3の非血球系細胞に対する作用と受容対の研究を行った。この結果、GM-CSFは約30%の固形癌の細胞に特異的受容体をもつことが明らかとなった。しかしながらこれらの細胞で見られるGM-CSF受容体はαサブユニットのみでありβサブユニットには見られないことから、GM-CSFの生理作用については次年度に引き続き検討する必要があると思われる。IL-3については固形癌で特異的受容体を持つものはほとんど見られなかったが、一部の肺癌の細胞などで確認された。肺癌の細胞に対してはIL-3は増殖抑制因子として作用することから、その作用機構について引き続き検討を要すると思われる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.kuwaki,T.Kitamura,K.Miyazono,F.Takaku et al: "Characterization of human interleukin 3 receptors on a multifactor dependent cell line" Biochemical and Biophysical Research Communication. 161. 16-12 (1989)
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[Publications] Y.-F.Piao,S.Chiba,K.Miyazono,F.Takaku et al.: "Binding properties and proliferative effects of human recombinant granulocyte-macrophage colony stimulating factor in primary,leukemia and lymphoma" Japanese Journal of Cancer Research. 80. 887-894 (1989)
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[Publications] K.Miyagawa,S.Chiba,K.Miyazono,et al.: "Frequent expression of receptors for granulocyte-macrophage colony-stimulating factors on human solid tumor cell lines" J.Cellular Physiology.
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[Publications] K.Shibuya,S.Chiba,K.Miyazono,F.Takaku,et al.: "Effects of ubenimex on proliferation and differentiation of human bone marrow cells and leukemic cell lines,and the possible mechanisms of its action." Experimental Hematology Today. (1990)
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[Publications] S.Chiba,Tojo,A.,K.Miyazono,F.Takaku et al.: "Characterization and molecular features of the cell surface receptor for human granulocyte-macrophage colony-stumulting factor." Leukemia. (1990)