1990 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトコロニ-刺激因子(GMーCSF及びILー3)受容体の研究
Project/Area Number |
01570675
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮川 清 東京大学, 医学部・第三内科, 助手 (40200133)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 冬木 東京大学, 医学部・第三内科, 助手 (30184493)
平井 久丸 東京大学, 医学部・第三内科, 講師 (90181130)
|
Keywords | 造血因子 / コロニ-刺激因子 / GMーCSF / インタ-ロイキン3 / 受容体 |
Research Abstract |
1.2種類のヒトGMーCSF受容体の構造解析とその作用機構の解析 ヒトGMーCSF受容体の低親和性受容体と高親和性受容体はベアチドマッピング及び糖鎖の生化学的解析から明らかに異なるものであることがわかり、さらに機能的には高親和性受容体の存在が細胞増殖に必要であることが明らかになった。また低親和性受容体のみでは細胞増殖がおこらないが、絨毛癌の細胞株を使った実験で、低親和性受容体だけでも情報伝達がおさえることが明らかになった. 2.ヒトGMーCSF高親和性受容体の純化精製 高親和性受容体は既にクロ-ニングされている低親和性受容体に比べ発現量が少ないため通常の純化精製は困難であった。そのため発現クロ-ニング法にて現在クロ-ニングを試みている。発現ライブラリ-は既に完成し、予備実験も成功しているため、近日中に高親和性受容体がクロ-ニングされると思われる. 3.ヒトGMーCSF及びILー3受容体の非造血腫瘍における発現とその作用 GMーCSF受容体は種々の非常血系腫瘍の約30%で発現していることが明らかとなったが、それらすべてが低親和性受容体のみであり細胞増殖には直接関係ないことから,現在細胞増殖以外のシグナルとの関係を検討中である。またILー3受容体も約10%の癌細胞で発現が認められたがこちらは増値抑制と関係することが明らかとなった. 4.GMーCSF受容体とILー3受容体の相互関係 ある種の白血病細胞で両者の受容体を共有しているものでは、GMーCSF及びILー3が互いに両者の結合を阻害することが明らかになった。しかもこの競合作用はそれぞれの高親和性受容体を介して生じるもので、両者の受容体システムの解析に重要な知見となった。
|
-
[Publications] S.Chiba,K.Shibuya,K.Miyagawa et al.: "Identification and cellular distribution of distinct proteins forming human GMーCSF receptor" Cell Regulation. 1. 327-335 (1990)
-
[Publications] K.Miyagawa,S.Chiba,K.Shibuya et al.: "Frequent Expression of Receptors for GranulocyteーMacrophage ColonyーStimulating Factor on Human Nonhematopoietic.Tumor Cell Lines" J.Cell.Physiol.143. 483-487 (1990)
-
[Publications] S.Chiba,K.Shibuya K.Miyazono,A.Tojo,K.Miyagawa et al.: "Affinity Purification of Human GranulocyteーMacrophage Colonyーstimulating FactorーChain" J.Biol.Chem.265. 19777-19781 (1990)
-
[Publications] F.Taketazu,S.Chiba K.Miyagawa et al.: "ILー3 Specifically Inhibits GMーCSF Binding to the Higher Affinity Receptor" J.Cell Physiol.(1991)