1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570683
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加納 正 京都大学, 医学部, 講師 (50093224)
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Keywords | 形質細胞 / 骨髄腫 / Castlemanリンパ腫 / ALアミロイド物質 / Bence Jones蛋白 |
Research Abstract |
形質細胞の腫瘍性と反応性増殖疾患である多発性骨髄腫とCastlemanリンパ腫をとりあげ、形質細胞の細胞生物学的性状について検討した。現在までに得られた新知見は裏面に記した論文において発表されているが、ここのその要点をまとめる。 1.骨髄腫細胞の空胞化現象について電顕レベルでIgと酸性フォスファタ-ゼの分布を検討したところ、両者は異った分布を示し、空胞形成にはリソソ-ム系が主に関与した現象であることが示された。 2.Κ型にλ型のBence Jones蛋白(BJP)を産生する稀な骨髄腫例に検討を加えた。Κ-BJPとλ-BJPが一部(11%)の骨髄腫細胞内で産生され、両者の分布が異なることが示された。Russell体の辺縁はλ、その中核はΚであり、Κ→λの順で産生されていると想定された。λ鎖geneが活性化された状態にあってもΚ鉛mRNAがlong-livedでΚ鎖を産生しつづけると考えられる。この場合アイソタイプ排除の原則に矛盾しない。今後DNAレベルの解析を試みたい。 3.形質細胞性Castlemanリンパ腫は一般に増生する形質細胞は多クロ-ン性であるが、ときに単ク-ン性増殖を示して形質細胞腫に変貌することがある。血清中にM成分を証明する例を含む3例で、Southerm blotting法で、IgH、K、TCRβ遺伝子の再構成バンドは認められなかった。両デ-タの解離は形質細胞の単クロ-ン性増性がリンパ節の中できわめて限局性にみられることを示している。 4.ALアミロイド線維はBJPに由来するが、BJPのアミロイド原性はそのV領域の構造に依存している。アミロイド物質と親和性のあるアイソト-プtracerを発見した。この知見からアミロイド原性BJPを産生する形質細胞の動態を分析する新しい手法の開発が期待される。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yasuda,N.,Kanoh,T.,Uchino,H.and Ogawa,K.: "Vacuolated plasma cell:Ultrastructural distribution of acid phosphatase and intracellular immunoglobulin." Acta Haematol.(Basel). 81. 203-207 (1989)
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[Publications] Kanoh,T.,Yago,K.,Iwata,H.,Tei,K.and Higashino,T.: "IgM-producing renal plasmacytoma." Urology(USA).
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[Publications] Yoneda,K.,Kanoh,T.,Nomura,S.,Ozaki,M.and Imamura,S.: "Elastolytic cutaneous lesions in myeloma-associated amyloidosis." Arch.Dermatol.(USA).
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[Publications] Ohta,H.,Endo,K.,Kanoh,T.,Konishi,J.and Kotoura,H.: "Technetium-99m(V)DMSA uptake in amyoidosis." J.Nucl.Med.(USA). 30. 2049-2052 (1989)
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[Publications] Kanoh,T.and Yago,K.: "Double Bence Jones proteinuria" Arch.Pathol.Lab.Med.(USA).
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[Publications] 野吾和宏,大野辰治,加納正: "Giant lymph node hyperplasia(Castleman リンパ腫)" 日本臨床免疫学会会誌. 12. 502-505 (1989)
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[Publications] 加納正(分担執筆)(塩川優一監修): "リウマチ学" 同文書院, 1480 (1989)