1989 Fiscal Year Annual Research Report
血液幹細胞のクロ-ンソ-ティングによるBリンパ球初期分化の研究
Project/Area Number |
01570693
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
須田 年生 自治医科大学, 医学部, 講師 (60118453)
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Keywords | 血液幹細胞 / B細胞 / ストロマ細胞 / IL-7 / 胎児肝細胞 |
Research Abstract |
我々は今までにB220抗原陰性(B220^-)の血液幹細胞がストロマ細胞との共培養により、B220^+,IgM^+細胞に分化することをクロ-ンレベルで明らかにした。最近、このストロマ細胞から、細胞接着などの刺激により、IL-7が産生されていることがわかった。そこで、我々は、IL-7かB細胞の初期分化にどのように関わっているかを検討した。 IL-7は、COS-1細胞にIL-7遺伝子を導入し、その培養上清を部分精製して用いた。B細胞及び骨髄系前駆細胞の培養はメチルセルロ-ス法によって行った。マウス骨髄細胞及びコロニ-厚生細胞は、各種抗体で染色したあと、FACStarを用いて解析した。 マウス骨髄細胞では、IL-7の存在下において、約1/10^3の頻度で、小型細胞からなるコロニ-が形成された。これらのコロニ-構成細胞の約100%がB220^+で、約20-40%がIgM^+であった。FACSにより骨髄細胞を各分画に分離して検討したところ、IL-7の標的細胞はB220^+,IgM^-に存在することが分かった。 以上のことより、IL-7はB220^+のpreB細胞に作用し、一部IgM^+細胞への分化を指示する。B220^-細胞からB220^+細胞への分化にはストロマ細胞あるいはストロマ細胞由来の因子が関与すると考えられた。 また、in vitroで推測された上記のモデルが、生体内におけるB細胞分化にもあてはまることが分かりつつある。すなわち在胎12〜14日目のマウス胎児肝にはB220^+細胞がなく、IL-7に対する反応性はみられなかった。在胎日数が進むにつれて、IL-7反応細胞の頻度が増加した。また在胎12-14日目には、間質細胞に反応して、B細胞に分化しうるProB細胞が存在することが明らかとなった。今後、間質細胞は細胞接着に必要であるのか、あるいは新たな増殖因子を産生しているのか、コラ-ゲンゲルなどを用いて検討を進めていく予定である。
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[Publications] Suda T.et al: "Effect of recombinant murine interleukin-7(IL-7)on B-cell colony formation and an inhibitory effect of IL-1" Blood. 74. 1936-1941 (1989)
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[Publications] Suda T.et al: "Early B cell differentiation from hematopoietic stem cells in the presence of stromal cells and interleukin-7(IL-7)" Experimental Hematology Today. (1990)
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[Publications] Komatsu N.et al: "Growth and differentiation of a human megakaryoblastic cell line;CMK" Blood. 74. 42-48 (1989)
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[Publications] Kurihara N.et al: "Generation of osteoclasts from isolated hemopoietic progenitor cells" Blood. 74. 1295-1302 (1989)
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[Publications] Wada H.et al: "Expression of ABH and MN group antigens on human erythroid progenitors in liquid culture system" Blood. 75. (1990)