1990 Fiscal Year Annual Research Report
家兎胎仔に作成した先天性横隔膜ヘルニアの病態に関する研究
Project/Area Number |
01570717
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
佐々木 信義 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (10080136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 普二夫 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (20189690)
丹羽 宏 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (30228267)
正岡 昭 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (10028326)
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Keywords | 先天性横隔膜ヘルニア / 実験胎仔手術 / Nitrofen(NIP) / 肺低形成 / 肺組織内リン脂質 / 横隔膜形成障害 |
Research Abstract |
手術施行群(胎仔手術による先天性横隔膜ヘルニア〔下下本症と略す〕の実験モデル)と薬剤投与群(母獣への薬剤投与による本症実験モデル)の2群を作成し、主に以下の結論を得た。 1).手術施行群,薬剤投与群ともその新生仔の外観、体重はコントロ-ルト比較してなんらの異常も認めなかった。 2).手術施行群はコントロ-ルと比較して、肺が左右とも著しく小さく、肺重量および肺重量体重比の低下を認めた。組織学的には、一様に強い無気肺を認めたが、肺胞の分化成熟には異常を認めなかった。 3).薬剤投与群はコントロ-ルと比較して肺重量体重比の低下を認めた。組織学的には肺胞の形成障害およびそれに伴う気腫状の変化、無気肺を認めた。 4).肺組織内のリン脂質量は、手術施行群ではコントロ-ルと差はなく、薬剤投与群では低下していた。 5).手術施行群において認めた肺の変化は腹腔臓器による肺の圧迫によりsecondaryの変化で、臨床的には横隔膜修復によって改善が期待できる病態である。 6).薬剤投与群に認めた変化は、横隔膜の形成障害に先行するprimaryな変化であり、修複をおこなっても改善が期待できない病態と考えられる。
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Research Products
(1 results)