1989 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌症例におけるエストロゲン・レセプタ-遺伝子発現の解析
Project/Area Number |
01570718
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小林 俊三 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (50080057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 弘敬 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (40211065)
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Keywords | ヒト乳癌 / エストロゲン・レセプタ- / cDNA / 遺伝子発現 / DNA / mRNA |
Research Abstract |
ヒト乳癌40例より抽出したDNA、mRNAをラット・エストロゲン・レセプタ-(ER)cDNA(pRcER6、小池ら)をプロ-ブとして、ハイブリダイゼ-ションしER発現との関連を解析した。 〔方法〕【○!1】Proteinase K,Phenol,Chloroformを使用してDNAを抽出し制限酵素EcoRIで消化しSouthern hybridizationを行った。【○!2】FAST TRACK mRNA ISORATION KIT(INVITROGEN)を使用してmRNAを抽出しNorthern hybridizatonをおこなった。【○!3】プロ-グにはmultiprime labeling kitを使用した。【○!4】ER測定にはEIA法とDCC法をおこなった。 〔結果〕DNAのSouthern hybridization解析ではERの有無と無関係にすべての例で9.1kb、7.4kb、3.4kb、2.8kb程度の大きさの4バンドを検出し、濃淡も各バンド毎に腫瘍間で差異はなかった。ヒト胎盤、子宮より抽出したDNAでも全く同様のバンドが検出され、乳腺細胞の癌化に伴うER発現遺伝子の再編成や増幅は認められなかった。mRNAのNorthern hybridization解析ではすべてのER(+)腫瘍で約6.0kbにバンドが検出され、そのうちの1例では約7.2kbの副バンドが検出された。それについてはRNAレベルでのスプライシングの異常を起こしていることが予想され、欠陥ERを産生している可能性がある。ER(-)腫瘍では全くバンドが検出されなかった。 なお上記の結果は第49回日本癌学会総会にて発表予定である。
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