1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570735
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
山際 岩雄 山形大学, 医学部, 講師 (60182424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小幡 和也 山形大学, 医学部, 助手 (10214214)
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Keywords | 小腸移植 / うさぎ / 阻血時間 / FET PO_2,pHセンサ- |
Research Abstract |
1)手術用顕微鏡のそろった平成2年度より当初の目的であったうさぎ小腸移植における移植腸管の至適長さを求めるべく実験を開始した。しかし基礎実験において動静脈血管吻合、腸管吻合とも有益に行なわれていたものの慣性実験に移行するにつれ腸管吻合後の縫合不全の頻度が高くなり当初の目的までうさぎを生存させることがほとんど不可能な状態となった。縫合不全の原因として血管吻合に要する時間すなわち腸管の虚血時間の限界をみる必要があると考えられ下記のような実験を平成3年度に施行した。 2)すなわち術中モニタリングとして腸管組織のPO_2,pHを測定することにより捕えようと試みた。雌日本白うさぎを用いDonorの上部空腸20cmを移植腸管として上腸間膜動脈根部及び門脈本幹まで処理、この時点でFETPO_2,pHセンサ-を腸管壁内に挿入した。4℃、pH8に調整した乳酸化リンゲルでかん流後Recipientの下大静脈,腹部大動脈に吻合した。11例中全経過が測定できたのは8例であり、阻血時間は40.5分±7.45分,測定結果はセンサ-挿入後5分でPO_236.07±9.97mmHg,pH6.94±0.25,温度30.6℃±0.71℃,血行遮断後5分で25.50±5.72,6.81±0.15,29.3±0.93,かん流終了時で11.63±4.58,7.33±0.11,18.4±3.34,吻合開始後10分で10.13±2.93,6.98±0.12,27.4±1.27,血行再開始1分で33.63±7.52,7.04±014,30.3±1.34,同20分で36.38±3.46,7.09±0.09,29.4±2.17であった。移植腸管は肉眼的にも血流再開後は自己腸管と同様であった。終了後屠殺したが組織学的には腸管粘膜層の軽度の浮種を認めるのみであった。移植実験において移植種管の阻血時間は我々の経験から1時間以内に十分可能であり、腸管組織PO_2,pHからみると1時間以内であれば回復可能であることが分かった。
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