1989 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト膵臓性カリクレインのモノクロナ-ル抗体の作製とその基礎的及び臨床的応用
Project/Area Number |
01570744
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
跡見 裕 東京大学, 医学部(病), 助手 (60107654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺島 裕夫 東京大学, 医学部(病), 医員
杉山 政則 東京大学, 医学部(病), 医員
黒田 慧 東京大学, 医学部(病), 講師 (70010270)
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Keywords | ヒト膵臓性カリクレイン / カリクレイン / 組織性カリクレイン / 糖鎖構造 |
Research Abstract |
ヒト膵組織より、リン酸緩衝液抽出、硫安分画、DEAE-celluloseによる陰イオン交換クロマトグラフィ-、p-aminobenzamidine、SepharoseCL-6Bとaprotinin aminocellulofineによるアフィンティ-クロアトグラフィ-、Sephacry/S'ー200によるゲルロカ等の一連の操作により、ヒト膵臓性カリクレインを精製した。この最終標品は、HPLCにより単一ピ-ク、SDSホリアクリルアシドゲル電気泳動により単一バンドを示し、ほぼ純品であることが判明した。N-末端アミノ酸配列分析法による結果は遺伝子工学的に得られているヒト膵臓性カリクレインのものと一致した。分子量はHPLC法で数48,000、SDSポリアクリルアミドゲル法で約52,000であった。各種プロテア-ゼ阻害剤に対する挙動はヒト尿性カリクレイン、ブタ膵臓性カリクレインの結果と一致した。ヒト尿性カリクレインとは免疫学的交叉性があり、合成基質、H-Pro-Phe-Arg-MCAに対するKm値は5.6×10^<-2>mMであった。 更にこのヒト膵臓性カリクレインの糖鎖構造を少量の試料でも分析可能なレクチンの糖鎖に対する結合得意性を用い検討した。この他尿性・唾液性カリクレインの糖鎖構造を検索し、ヒト膵臓性カリクレインとの差異を調べた。これら3種の組織カリクレインにはいずれもConAに対し強い結合性を示す分画が少なく、high mannose型およびhybrid型糖鎖は殆ど存在しないことが推測された。E-PHAに対する結合性は唾液性カリクレインに比べ膵臓性カリクレインが明らかに高いことにより膵臓性カリクレインはbisecting GlcNacを有する2本鎖あるいはそれ以上の側鎖を有するcomplex型糖鎖が多いことが判明し、ヒトの3臓器の組織性カリクレインは異なる糖鎖構造を有することが確認された。
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