1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570746
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉野 邦英 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10134678)
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Keywords | 遊離空腸移植 / 遊離組織移植 / 遊離皮弁 / 遊離筋皮弁 / 血管柄付骨移植 / レ-ザ-ドップラ-血流計 / 下咽頭癌 / 頸部食道癌 |
Research Abstract |
下咽頭から胃までの長い距離を遊離空腸によって一期的に再建しようというのがこの研究の出発であった。平成2成度までに成犬を用いたモデルでの完成を目指してまたが、当初の予定であった空腸は成犬においてはその血管系が短かいため不可能であることが判明し結腸に変更せざるを得なかった。結腸でほぼ目処がついたがまだ臨床で応用する機会に恵まれていない。その間に通常の遊離空腸移植による下咽頭頚部食道の再建は症例を重ね、術後の機能面からの検討と合わせて学会発表および誌上発表を行ってきた。下咽頭食道癌は高齢者に多く、侵龍が小さくかつ術後の嚥下機能からみても優れている遊離空腸移植による再建は理想的なものと言える。これまで65歳以上の高齢者18例に対して遊離空腸移植を施行したが、80歳以上の超高齢者も3例含まれており、全例で満足すべき成績をあげた。特に術後バリウムによる造影をVTRに記録し解析することや内圧測定、さらにはアンケ-ト調査などから術後の機能面の研究を行ったが十分に評価に耐えうるものであり、高齢者に対する外科治療として明るい希望をもたせる結果が得られた。 また最近では遊離移植の1つとして遊離皮弁や遊離節皮弁さらには血管柄付骨移植にまで手を広げ、頭頚部悪性腫瘍切除後の再建に応用している。これらの遊離組織移植後のモニタ-として、レ-ザ-ドップラ-血流計を用いそのviabilityの判定に役立てている。いずれ次年度でその成果を発表する予定である。
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