1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570748
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
坂本 隆 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (90162312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠木 徳三 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (30161003)
田沢 賢次 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (80018887)
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Keywords | 人工肛門 / 有茎平滑筋移植 / 人工肛門内圧測定 |
Research Abstract |
有茎腸管平滑筋移植付加人工肛門について動物実験、臨床応用の面から検討した。 1.動物実験:雑種成犬10頭を使用した。下行結腸を切断し、口側3cmの結腸を移植平滑筋とした。粘膜を除去し、この部に流入する血管周囲を剥離し血管のみを温存した状態とした。移植平滑筋は人工肛門開口部より数cm口側の結腸を取り巻くように縫着し、有茎腸管平滑筋移植附加人工肛門を作成した。3カ月後に移植平滑筋の機能を生理学的、組織学的、薬理学的に検討した。 結果:(1)内圧測定:移植部に一致して昇圧帯を認めた。(2)肉眼的所見:肉眼的に移植部は持続的収縮状態にあった。(3)血流測定:移植平滑筋の血流は正常部漿筋層のそれの65〜75%を示した。(4)筋電図と収縮曲線:取り出した移植平滑筋の自作ガラス吸引電極を使用した測定では、正常部漿筋層に近い自発運動と活動電位が認められた。(5)組織学的所見:移植平滑筋には軽度の線維化が認められたものの、筋層及び筋間神経叢はほぼ正常に保たれていた。(6)薬理学的反応:全麻下でのatropin、PGF_2α静脈内投与では、内圧測定上、正常部、移植平滑筋共に反応は認められなかった。移植平滑筋から得られた極小漿筋層片(2×5mm)でのhigh K、Ach、high Ca、serotonin、histaminに対する反応では、high K/Achの収縮比でdenervationの状態が確認された(Ach不感性)。 2.臨床応用:7例に約10cmの有茎平滑筋を付加した人工肛門を作成した。術後の排便状況では自然排便でも1日1〜3回の排便にコントロ-ルされていた。注腸検査では移植部の口側でバリウムが貯留し流出が抑制される傾向にあった。内圧測定では移植部で昇圧帯が見られた。剖検例の組織学的検索では移植漿筋層は正常漿筋層と変わらない厚さで残存し、肉芽形成も認められなかった。以上の結果より、本法は臨床的にも有用と考えられた。
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