1990 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞胆汁うっ滞に及ぼすエンドトキシンーKupffer細胞反応の影響に関する研究
Project/Area Number |
01570763
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
平田 公一 札幌医科大学, 医学部(第一外科), 教授 (50136959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 和則 札幌医科大学, 医学部, 助手
奥 雅志 札幌医科大学, 医学部, 助手 (50145596)
小林 謙二 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30153604)
平間 敏憲 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90145582)
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Keywords | エンドトキシン / 胆汁うっ滞 / Kupffer細胞 / サイトカイン / 胆汁酸 |
Research Abstract |
研究成果をin vivoとin vitroの二種に大別し,以下に要約して述べる。 (1)in vivo実験 Kupffer細胞とエンドトキシンをin vitroの系でインキュベ-ションし、これで得られた上清を超遠心にかけ,上清中エンドトキシンを可能な限り除去した。この上清を経門脈的に持続投与(120分)し、胆汁中胆汁酸および血中胆汁酸分析を行ない、またトランスアミナ-ゼ、ビリルビン値の推移を投与前,60分,120分,240分,12時間,24時間,48時間,72時間の時点での測定値の変化から検討した。胆汁中胆汁酸値の推移は、240分以後で硫酸抱合型のそれが増加する傾向を示し,24・48時間で有意な高値を示したが,72時間値は前値と有意差がなかった。血中胆汁酸値の推移は、12時間以後でケノデオキシコ-ル酸およびコ-ル酸の上昇を認め、前者については硫酸抱合型,タオリンないしグリシン抱合型のいずれもが上昇し、後者についてはタオリンないしグリシン抱合型のそれが上昇した。しかしいずれも72時間値は前値と有意差がなかった。トランスアミナ-ゼ値・ビリルビン値は12ー48時間値で弱干の上昇傾向を生じ、72時間で正常値化した。門脈注入に用いた上清に対するconventionalな抗血清を得、あらかじめ上清とin vitroでインキュベ-ションした後に、門脈内投与すると上記変化は一般に軽度化したが、濃度依存性反応の有無の確認については充分な結果を得ていない。 (2)in vitro実験 Kupffer細胞とエンドトキシンのインキュベ-ションで得られた上清をあらかじめ、TNF,ILー1,ILー6および上記のconventionalな抗体で前処理すると, ^3Hーleucine incorporation,cytotoxity(分離肝細胞を対象)の変化は抑制された。 電顕的検討は,双方の実験で進行中で結果を述べるに到達していない。
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[Publications] 平田 公一,唐沢 学洋,戸塚 守夫,早坂 滉: "エンドトキシンショックと肝細胞ーKupffer細胞interactionおよびCytokinesの関与" Shock. 5. 51-55 (1990)
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[Publications] 唐沢 学洋,平田 公一: "エンドトキシン抵抗性マウスにおける抵抗性機構の研究 (1)分離肝非実質細胞のフリ-ラジカル産生に及ぼすエンドトキシンの影響" 札幌医誌. 59(2). 119-128 (1990)
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[Publications] 唐沢 学洋,平田 公一: "エンドトキシン抵抗性マウスにおける抵抗性機構の研究(1)分離肝非実質細胞のエンドトキシンによるサイトカイン産生能の検討" 札幌医誌. 59(3). 191-200 (1990)
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[Publications] 平田 公一,唐沢 学洋: "Kupffer細胞" 医学のあゆみ. 156. (1991)