1990 Fiscal Year Annual Research Report
脱上皮ラット気管を用いた肝癌培養細胞の分化と浸潤能のASSAYに関する検討
Project/Area Number |
01570777
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
柴 光年 千葉大学, 医学部・肝癌研究施設・第一臨床研究部門, 助手 (20162620)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 久美 千葉大学, 医学部・肝癌研究施設・第一臨床研究部門, 非常勤講師 (80191211)
馬場 雅行 千葉大学, 医学部・肝癌研究施設・第一臨床研究部門, 助手 (00143305)
藤沢 武彦 千葉大学, 医学部・肝癌研究施設・第一臨床研究部門, 助教授 (80110328)
山口 豊 千葉大学, 医学部・肝癌研究施設・第一臨床研究部門, 教授 (80009448)
|
Keywords | in vivo invasion assay / primary lung carcinoma / xenotransplantation / deepithelialized rat trachea / nude mouse / in vivo differentiation assay |
Research Abstract |
In vivoの実験系では癌の悪性性格として最も基本的な浸潤性増殖能について、in vitroの検討に比較して宿主側の反応も考慮したヒト生体内と近似した環境における総合的な現象として検討することが可能であり有用な方法である。しかしながら従来の癌細胞を直接ヌ-ドマウスの皮下に注入する方法は必ずしも生着率が高くなく、腫瘍形成までに長期間を要するなどの問題があった。本研究ではヒト肺癌切除例の腫瘍原発巣から樹立した培養細胞をヌ-ドマウス移植脱上皮ラット気管内に注入してin vivoにおける浸潤性増殖能および分化能について検討した。宿主生体内における肺癌細胞のbiological behaviorを再現する目的で継代早期(4〜9代)の培養細胞を用いて従来の皮下注入法と比較検討し、以下の知験が得られた。(1)ラット気管内注入群ではヌ-ドマウス皮下直接注入群に比較して少数の細胞注入により早期(3週以内)に注入細胞の生着像が確認された。(2)ラット気管壁への浸潤性増殖の頻度はヌ-ドマウス皮下の腫瘍形成率と高い相関を認め、患者の治療後の転帰とも密接な関連が認められた。(3)ラット気管内の非浸潤部では注入細胞は原発腫瘍においても認められなかったような異型の軽度な分化の良好な組織像を呈し、腺癌由来の細胞株ではその組織発生を示唆する所見が得られた。浸潤部では増殖能の高い異型の高度な分化の不良な像を呈した。この原因として環境により増殖可能なcell populationが異なる可能性と、mesenchymal interactionの違いによる可能性が示唆された。以上より、本システムによる継代早期の肺癌培養細胞を用いた浸潤性増殖能の検討は臨床的な生物学的特性を加味した予後の推定手段として有用であり、また移植気管内非浸潤部の増生像の検討は肺癌組織発生の検索に有用となる可能性が示唆された。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Hisami Yamakawa,Masayuki Baba,and Yutaka Yamaguchi: "In vivo Invasion Assay of Low Passage Cultured Cells Derived from Human Lung Cancer Using Deepithelialized Rat Tracheas Xenotrasplanted into Nude Mice." Cancer Research. 50(22). 7358-7363 (1990)
-
[Publications] Hisami Yamakawa,Masayuki Baba,Mitsutoshi Shiba,and Yutaka Yamaguchi: "Enhancement of Differentiation of Low Passage Cultured Cells Derived from Human NonーSmall Cell Lung Carcinoma Using Deepithelized Rat Tracheas Transplanted into Nude Mice." Differentiation.