1989 Fiscal Year Annual Research Report
ポリ乳酸を制癌剤担体とする経リンパ行性制癌剤投与法の臨床的および実験的研究
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01570781
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
加藤 弘文 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (20111974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 渥視 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80026971)
岡田 慶夫 滋賀医科大学, 医学部, 副学長 (10106825)
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Keywords | アクラシノマイシン含有ポリ乳酸マイクロスフェア(ACMーMS) / 経リンパ行性制癌剤投与法 / 制癌剤徐放性 / リンパ指向性 |
Research Abstract |
1.家兎VX2癌リンパ節転移モデルに対するACMーMSの投与 (1)ACMーMSの浅腹壁静脈随伴リンパ管内注入法 経リンパ行性制癌剤として最も適したACMーMSの粒子径を決定するために、small,middle,large sizeの粒子径の異なる3種類のACMーMS(ポリ乳酸分子量3600)を調整してリンパ管に注入し、それぞれの下腰リンパ節内ACM濃度を経時的に測定した。middle sizeのACMーMSで注入1日後に非常に高いACM濃度が検出され、middle sizeのACMーMSがリンパ節への到達性およびリンパ節での停留性に優れた剤型であると判定された。次に、middle sizeのACMーMSのポリ乳酸分子量を3600から7200に増量してリンパ管注入実験を行なったところ、注入14日後の下腰リンパ節内ACM濃度2.49±g0.69μ/gと優れたACM徐放曲線を得ることができた。これより、middle sizdでポリ乳酸分子量7200のACMーMSが経リンパ行制癌剤としてリンパ節への到達性、リンパ節内停留性、ACM徐放性のいずれの点でも優れていることが証明された。 (2)ACMーMSの傍リンパ管結合組織内注入法 ACMーMSをリンパ管近傍結合組織内数ケ所に分注したところ、同薬剤注入後14日後も1.22±0.45μg/gと比較的高い下腰リンパ節内ACM濃度を検出することができ、ACMーMSのリンパ指向性が証明された。 2.ACMーMSのリンパ節内癌転移巣に対する組織学的抗腫瘍効果 ACMーMSのリンパ管内注入群では抽出した転移リンパ節32個中15個(46.9%)に組織学的に著効を認めていることより、ACMーMSの抗腫瘍効果が証明された。
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Research Products
(1 results)