1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570789
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
松本 昭彦 横浜市立大学, 医学部, 教授 (20045975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井元 清隆 横浜市大, 医学部, 助手 (40203335)
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Keywords | 骨格筋 / 広背筋 / 心機能補助 / 補助循環 / Cardiomyoplasty / Vascular Delay / 血行形成期間 / 組織血流量 |
Research Abstract |
骨格筋を用いた心機能補助において、骨格筋の耐疲労性の獲得。骨格筋の機能向上が重要な課題である。骨格筋を用いた心機能補助における骨格筋の運動能力の因子の1つは骨格筋の特性であり、低頻度の電気的トレ-ニング(preconditioning)により骨格筋筋線維の形質転換(transformation)が起り、耐疲労性を獲得するといわれている。平成元年度は形質転換における骨格筋筋線維の形態学的変化を解明した。もう一つの因子は酸素供給量であり、主として組織血流量に依存していると考えられ、平成2年度は心機能補助を目的に作成した広背筋グラフトの組織血流量を検討した。広背筋は停止部、起始部を切断し胸背動静脈及び神経を温存した有茎のグラフトとた。心臓をラッピングするとき心臓に接する部分は広背筋グラフト先端部であり、グラフト作成前には主として体幹からの血行支配を受けていた部分である。体幹からの血行は胸背動静脈と吻合を有しており、胸背動静脈以外の血行を遮断しても、広背筋の血行を保つことは可能である。雑種成犬を用いた広背筋グラフトの作成およびレ-ザ-ドップラ-血流量計を用いたグラフト作成後の組織血流量を測定し、急性期においてはグラフト末梢部の血流量が中枢側の血流量の1/2〜1/3に低下することがわかった。又、血行形成期間(vascular delay)が移植後必要となることが判明した(第20回日本心臓血管外科学会、H.2.2.22ー23、札幌)。さらに、1ケ月の血行形成期間をおいた広背筋において血流量が改善されるという結果を得た(第27回人工臓器学会 H.2.9.20ー21、新潟,4th World Symposium on Transformed Skeltal Muscle for Cardiac Assist '90.10,3ー6,California)。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 磯田 晋,近藤 治郎,井元 清隆,梶原 博一,田村 功,鈴木 伸一,山崎 一也,内田 敬二,矢野 善己,松本 昭彦: "骨格筋による心機能補助に関する研究ー広背筋グラフトの組織血流量マッピング" 日本心臓血管外科学会誌. (1990)
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[Publications] 磯田 晋,近藤 治郎,井元 清隆,梶原 博一,矢野 善己,松本 昭彦: "骨格筋による心機能補助に関する研究ーレ-ザ-組織血流量計,針型プロ-ブを用いた広背筋グラフトの組織血流量の検討" 人工臓器学会誌. (1991)