1989 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肺癌のDNA解析とこれにコ-ドされた細胞表面抗原を用いた臨床診断に関する研究
Project/Area Number |
01570790
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
安田 真一 獨協医科大学, 医学部, 研究員 (60133279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 晃一郎 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (60009488)
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Keywords | 肺癌関連腫瘍抗原 / DNAコ-ド細胞表面産物 / DNA移入 / 肺癌のDNA解析 |
Research Abstract |
[研究目的]腫瘍抗原(TAA)を検出することは、現在、抗体を用いた免疫学的方法を中心に成されている。我々もこれまでTAAについて検討を行ってきたが、これらの抗体の特異性については疑問が残る。この原因は、抗原および検出に用いた細胞、組織等に由来すると考えられる。一方、本当にTAAが存在するのかということも問われている。これらの理由から、本研究においてはヒト肺癌よりDNAを抽出し、このDNAを正常細胞に移入し、この移入したDNAによってコ-ドされた物質を細胞表面に出現させ、これに対する抗体を作製してTAAを検索すること、即ち肺癌由来のDNAに支配された細胞表面上の産物をTAAとして検出し、これを肺癌の臨床診断に応用すること、および、肺癌のDNA解析を行うことを通じ、肺癌の遺伝子レベルの情報を得ることより、これらの成果を肺癌の診断治療への補助手段として活用できるようにすることである。[本年度における研究経過と問題点]肺癌のDNAによりコ-ドされている細胞表面の産生物をTAAとして検出する訳であるが、これに該当するものは多く考えられるため肺癌関連腫瘍抗原に対するモノクロナ-ル抗体(MoAb)を作製し、この抗体をプロ-ブとして用いて、この抗体により検出される細胞表面産物を指標にして、物質をしぼり込むこととし培養ヒト肺癌細胞株を抗原としてMoAbを作製した。この作製したMoAbは細胞表面、デタ-ジェントによる細胞抽出物および細胞培養上清中に放出される高分子量の抗原を認識していた。肺癌DNAの細胞への移入は数回実施したが、移入効率が悪いためか満足のいく成果が得られていない。これは、抽出したDNA、移入する細胞等に原因があると考えられるので検討を行っている。DNA解析については、所有している細胞株を中心に実施しており、一部に肺癌に相関すると考えられる結果を得ているが、更に検討を必要とする。
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