1989 Fiscal Year Annual Research Report
同種肺移植における免疫担当細胞の解析に関する実験的研究
Project/Area Number |
01570795
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
斉藤 幸人 関西医科大学, 医学部, 講師 (50131438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅本 真三夫 関西医科大学, 医学部, 助手 (60148509)
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Keywords | ラット肺移植 / 急性拒絶反応 / Prostaglandin I_2 / Thromboxane A_2 / Thromboxane合成酵素阻害剤 |
Research Abstract |
ACIラットをdonor,LEWラットをrecipientとした同種肺移植モデルを用いて拒絶反応に伴う免疫担当細胞の経時的変化を抗ラットモノクロ-ナル抗体を用いて解析を試みたが良好なモノクロ-ナル抗体が得られずdonor,recipient各々の免疫担当細胞の動態を分離して観察する事が困難であった。従って、これに代って同種肺移植に際し発生する急性拒絶反応に伴うthromboxane(Tx)およびその拮抗物質であるPGI_2の動態をそれぞれの安定代謝産物であるTxB_2、6-ketoPEF_<1α>の尿中排泄量から追求し、更に、Tx産生を阻害するOKY-046、asprin-DL-lysine(ASA)が急性拒絶反応に及ぼす影響を検討した。〔結果〕尿中TxB_2排泄量は移植後早期および移植肺拒絶時期に上昇し、尿中6-ketoPGF_α排泄量は移植後早期にのみ上昇した。また、Tx産生阻害剤を用いた群では生着期間が延長し、全経過にわたり尿中TxB_2排泄量は著明に低値であった。無処置群が拒絶される時期にあわせて各群の一部から摘出された移植肺の組織所見では、血管周囲単核球浸潤、間質浮腫等の急性拒絶反応所見は各群ともみられた。〔考察ならびに結論〕移植後早期のTx排泄量の増加は対照とした同種同系移植群(LEW-LEW)にも認められ、おそらく、surgical traumaによるものと考えられた。しかし、この時期には、同時に拮抗する6-ketoPGF_<1α>の排泄量も増加しており、Txによる組織障害を防止しているものと思われた。これに対し、無処置群の拒絶反応に伴うTxの上昇に対しては6-ketoPGF_<1α>は上昇せずTxの組織障害作用をより強化している可能性があると考えられた。Txはおそらく早期拒絶反応に強く関与しているものと推定され移植肺の組織所見からみて血管病変の成立に深くかかわっているものと思われた。
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