1990 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部・下垂体系における除痛メカニズムの実験的研究
Project/Area Number |
01570798
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
大神 正一郎 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (20108690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 力 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90221548)
福田 博 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90142819)
代田 剛 旭川医科大学, 医学部, 講師 (10041831)
田中 達也 旭川医科大学, 医学部, 講師 (20108715)
米増 祐吉 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30038666)
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Keywords | 下垂体ー視床下部 / 痛み / モルフィン / 頑痛症 / CRF |
Research Abstract |
1.実験方法などは以前からの手技を引続き行なった。これまでの実験結果から、ラットの視床下部のParaventricular nucleus(PVN)に生食やCRFを局所微量注入しても、ラットの疼痛閾値に影響を与えなかった。 2.しかし微量のモルフィン(7μg)をPVNに注入すると、ラットの疼痛閾値は著明に延長し、control群とは有意差が認められた 3.このPVN核に対するモルフィンの反応を、下垂体摘出ラットと非摘出ラットで比較してみたが、疼痛閾値の延長は両群に同じように認められた。 4.モルフィンの拮抗物質であるナロキソンを腹腔内に投与後、モルフィンを微量注入した群との疼痛閾値を比較してみると、ナロキソン処置後モルフィン注入群の疼痛閾値が低い傾向がうかがえた。 5.これらを総合すると、PVNを中心とする視床下部が痛みの制御に深く関与していることは確実で、Opiate Systemを介する疼痛抑制機構の存在が示唆される。またその機構はいわゆる視床下部ー下垂体係の疼痛抑制機構とは異なることが示唆される。 6.このPVNの鎮痛効果とモルフィンの全身投与による鎮痛効果、およびナロキソンとの相関について今後検討の予定である。
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[Publications] 大神 正一郎: "前部視床下部PVN核と疼痛抑制機構ーラットにおけるmorphine脳内微量注入法による検討ー" Funcitonal Neurosurgery Vol.29.
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[Publications] Masaaki Hashimoto: "The role of Paraventricular Nucleus and Pituitary Gland in Morphine Analgesia." Neurological medicoーChirurgica.