1991 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入と超誘発法による内因性インタ-フェロンの誘導と悪性脳腫瘍への治療応用
Project/Area Number |
01570807
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 純 名古屋大学, 医学部, 講師 (40158449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 國夫 応用生化学研究所, 所長 (00022749)
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (40135380)
若林 俊彦 名古屋大学, 医学部, 助手 (50220835)
杉田 慶一郎 名古屋大学, 医学部, 教授 (30023807)
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Keywords | インタ-フェロン / 脳腫瘍 / モノクロ-ナル抗体 / リポソ-ム / 遺伝子療法 / 腫瘍壊死因子 |
Research Abstract |
昨年度はヒトグリオ-マ細胞に特異的に反応するGー22モノクロ-ナル抗体及び遺伝子導入効果の高い陽性荷電を有するリポソ-ムを用い、β型インタ-フェロン(IFNーβ)遺伝子をヒトグリオ-マ細胞に導入すると、細胞内にインタ-フェロンの発現が観察された。又この内因性インタ-フェロンは外因性インタ-フェロンに比べ40倍以上の増殖抑制効果を示した。そこでこのインタ-フェロン遺伝子療法をより有効な治療法として確立する目的で多くの基礎実験を行った。その結果腫瘍壊死因子(TNFーα)前処置によりIFNーβの細胞内発現が増加するとともに自己増殖抑制効果はさらに増強され、殺細胞効果として観察された。又IFNーβ遺伝子とIFNーα遺伝子を同時にヒトグリオ-マ細胞に導入すると、やはり強い殺細胞効果が得られた。次いで我々はヒトグリオ-マ細胞移植ヌ-ドマウで皮下腫瘍を用いたin vivoでの実験を行った。その結果(1)IFNーβ遺伝子包理リポソ-ムを皮下腫瘍に直接注入したところ有意に腫瘍の増殖が抑制されたが、線維芽細胞由来外因性IFNーβでは増殖抑制は認められなかった。(2)さらにこのリポソ-ムを隔日計8回注入した結果、観察した30日後まで腫瘍は完全に抑制された。(3)腫瘍中心部に形成したシスト内に同じ濃度のリポソ-ムを注入したところIFNーβの発現は投与後48時間でプラト-に達し、その後8日まで400ー500IU/mlの活性が検出された。(4)低濃度のTNFーαを腹腔内に前投与した後IFNーβ遺伝子包理リポソ-ムを皮下腫瘍内に注入したところ腫瘍は完全に消失した。
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Research Products
(1 results)