1990 Fiscal Year Annual Research Report
実験中枢神経系奇形モデルにおける発生病態の解析と神経移植による機能回復の検討
Project/Area Number |
01570812
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大井 静雄 神戸大学, 医学部, 講師 (30194062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穀内 隆 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (30178248)
松本 悟 神戸大学, 医学部, 教授 (10030850)
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Keywords | 中枢神経奇形 / 癒合不全 / 動的実験モデル / 全胚培養法 / 神経移植 / 胎内手術 / ニュ-ロンの成長・再生 |
Research Abstract |
本研究の目的は、中枢神経系奇形の発生病態を解析するとともに,何らかの治療手段により神経機能の回復をニュ-ロンの成長・発達の正常化とともに得ることにある。その方法論においては、各発生病態に基づいた原因の除去とともに、神経移植等の可能性を検討するものである。さらには、予防医学的観点においては、癒合不全等に共通するoverーgrowthの存在に注目し、中枢神経系奇形の病態進行以前の発生段階における診断法を確立することにある。 本年度の研究成果として、前年度よりの研究をさらに発展させラット胎仔の全胚培養の手技の確立、デ-タの集積が行なわれ、神経管癒合不全モデルがほぼ完成された。 結果においては、催奇性因子としてのVitamin A 100単位/ml中で妊娠9、5日から48時間培養した例において、神経管は未閉鎖状態であり、組織学的に神経板の著明な挙上、脊索の巨大不整化等の変化を認め、72時間後も同様の所見がみられた。妊娠0.5日目より培養を開始した例では、ほとんどVitamin Aの影響は受けていなかった。 以上の結果より全胚培養を用いた二分脊椎モデルは、その発生病態解析には極めて有用な方法であると思われた、本モデルにおける組織形態学的変化の中で、二分脊椎発生病態に関し最も重要であったことは,神経板の挙上であり、これにより神経者の一次的な閉鎖障害を生ずるものと推論された。
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