1990 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管攣縮の実験的研究ー特にクモ膜下出血後の脳血流動態についてー
Project/Area Number |
01570823
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
太田 富雄 大阪医科大学, 医学部, 教授 (80025650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 恭造 大阪医科大学, 医学部, 講師 (80200715)
三宅 裕治 大阪医科大学, 医学部, 講師 (50181996)
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Keywords | 脳血管攣縮 / 実験的クモ膜下出血 / 脳血流量 |
Research Abstract |
ラットを用いたクモ膜下出血(SAH)モデルは、小動物であるがために注入量や注入法のわずかな差異によって超急性期の脳血流動態に違いが生じやすく、従来報告されているような一定のSAHモデルを得ることが困難である。これまでの研究結果から、われわれは超急性期の脳血流のパタ-ンを知ることにより、クモ膜下出血モデルを3群に分け、同一条件下の一様な実験モデルを作製した。これによりクモ膜下出血直後の超急性期の脳血流動態を把握することができたが、Solomonらも述べているように、このモデルでは病理組織学的にvasculopathyをきたさず、人の遅発性脳血管攣縮(晩期虚血病変)の病態を検討するには不適当である。さらに、ラットの脳血管では側副血行路が発達しており、臨床的にみられるような虚血症状を出現させることは困難である。これらの問題点を考慮した上で、われわれは、まず超急性期の脳血流のパタ-ンを知ることにより、一定条件下にあるモデルを振り分け、Varsosらが犬を用いた実験で大槽内2回血液注入法により血管撮影上の脳血管攣縮を高率に再現させたように、われわれもラットの大槽内2回血液注入法を用いたのち、病理組織学的な検討を行なうつもりである。また、前処置として両側総頸動脈を結紮するなどの虚血病変をきたしやすいモデルによるクモ膜下出血後の脳循環動態の検討も行なっていくつもりである。
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