1989 Fiscal Year Annual Research Report
in vitro ^<31>P-NMR分光法を用いた腫瘍細胞株のリン代謝の観察
Project/Area Number |
01570830
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 達自 東京大学, 医学部(病)整形外科, 助手 (30161912)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正光 東京大学, 医学部放射線基礎医学, 助手 (80176362)
檜垣 昇三 東京大学, 医学部(病)整形外科, 講師
|
Keywords | 骨軟部腫瘍 / 骨肉腫 / 培養株 / ^<31>P-MRS / in vitro / リン代謝 / 化学療法 / 抗癌剤 |
Research Abstract |
われわれが経験した骨軟部悪性腫瘍患者の術前化学療法前後の腫瘍のリン代謝の観察(in vivo ^<31>P-MRS)では、化学療法が奏効した症例において、あるスペクトルの比(Pi/PCrやPME/B-NTP)が増加し、腫瘍の壊死を示唆する所見が得られている。抗癌剤に対して骨肉腫細胞のリン代謝がどのように変化するのか観察した報告はない。これを行うために既に樹立された骨肉腫細胞株(ヒトよりOST-1、マウスよりDunn骨肉腫)を用いて培養状態でin vitro ^<31>P-MRSを測定することが平成元年度の目標である。 一度に10^8〜10^9個の細胞を要するため、培養細胞株の大量培養はドラム式培養ボトルやビ-ズを用い、10%仔牛血清加DM170培養液で可能となったが、^<31>P-MRS測定時培養環境を一定にする灌流方法には諸家の報告もいろいろあり、その装置作成に確立された方法はない。Foxallらのagarose gel threasds法、Knopらの持続灌流法、その他Gonzalez-Mendez法、Karczmar法などからOST-1、Dunn骨肉腫に適した方法を選ぶのに時間がかかり現在に至っている。 今後の課題は使用予定MR装置、日本電子デ-タム社製のGX-400に適した灌流方法を見つけ、まず抗癌剤で処理していない培養細胞株の^<31>P-MRSを測定することである。その後で温熱療法を模擬する方法として灌流液温度を高めてリン代謝の変化を観察したり、アドリアマイシン、メソトレキセ-ト、シスプラチン、ハロキサンなど現在臨床で日常使われる抗癌剤を作用させ、培養腫瘍細胞株のリン代謝が臨床で見られる変化と同じものかどうか検討する。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Itoh,M.Yoshikawa,K.Higaki,S.Kojima,T.YAGI,K.Suzuki,N.,and Iio,M.: "Response of Bone and Soft Tissue Sarcomas to Pre-operatice Chemotherapy Monitored by P-31 NMR Spectroscopy" Jpn.J.Nuclear Medicine.
-
[Publications] 伊藤正光: "NMR分光法による腫瘍の放射線治療効果の評価に関する研究" 平成元年度科学研究費補助金研究成果報告書番号63570486.