1989 Fiscal Year Annual Research Report
単クロ-ン抗体を用いた悪性線維性組織球腫の臨床および基礎的研究
Project/Area Number |
01570839
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高木 克公 熊本大学, 医学部, 教授 (70040219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米村 憲輔 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (50182853)
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Keywords | 悪性線維性組織球腫 / 細胞培養 / モノクロナ-ル抗体 |
Research Abstract |
1.ラット膝関節内に発癌剤9、10-dimethyl-1、2-benzanthraceneを注入して発生した悪性線維性組織球腫(ラットMFH)を試験管内にて継代培養株として樹立した。さらに本株の単細胞クロ-ニングを行い、単クロ-ン株を樹立し、これらの細胞学的特徴について検討した。親株においては組織球様細胞と線維芽細胞様細胞の両者が主に存在していた。しかし単クロ-ン株ではいずれも線維芽細胞様細胞のみであった。また免疫組織化学的検索においても、親株の有している組織球様特徴を単クロ-ン株は有していなかった。さらに単クロ-ン株細胞をラットに戻し移植することにより、最初に発生したMFHと同様の組織を呈する腫瘍を発生させ得た。以上の事柄より、MFHにおいては線維芽細胞様細胞が本腫瘍の特徴であることが強く示唆された。 2.次に上記の親株および単クロ-ン株の細胞蛋白成分を抗原として、モノクロナ-ル抗体の作製を試みた。親株を用いた方法により組織球様細胞にのみ特異的に反応するモノクロナ-ル抗体が得られた。これに関しては現在詳細に検討中であるが、MFHの組織発生の解析を行う上で有力な武器となる可能性が高い。また単クロ-ン株に対するモノクロナ-ル抗体の作製は数回試みているが、現在のところ特異性を有するものは得られていない。本実験に関しては今後も続行する予定である。 3.既に臨床材料よりヒトMFHの培養株作製を数例試みているが、未だ継代株樹立には至っていない。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Teiji Kato,Motohiro Takeya,Katsumasa Takagi,and Kiyoshi Takahashi: "Chemically Induced Transplantable Malignant Fibrous Histiocytoma of the Rat:Analyses with immunohistochemisty,immunoelectron microscopy and ^3H-thymidine autoradiography" Laboratory Investigation. 62 No.5. (1990)