1989 Fiscal Year Annual Research Report
接着性蛋白質を用いた組織保護ならびに癒着防止に関する研究
Project/Area Number |
01570851
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
梶原 敏英 東京慈恵会医科大学, 医学部整形外科, 講師 (20152655)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 秀実 東京慈恵会医科大学, 医学部整形外科, 助手 (10179616)
丸毛 啓史 東京慈恵会医科大学, 医学部整形外科, 助手 (70199925)
|
Keywords | Sticky protein / Polyphenolic protein / Adhesion / Mytilus edulis L. |
Research Abstract |
イガイから抽出した接着性蛋白質-polyphenolic protein-の組織保護作用を検討するために、以下の実験を行った。 1.イガイ足部を採取し、各種protease inhibitorの存在下に中性塩緩衝液中で組織ホモジネ-トとした後、沈殿物を酢酸緩衝液中に溶解した。さらに可溶性分画をホウ酸緩衝液中で透析した後に濃縮し、イオン交換、ゲル瀘過クロマトグラフィ-およびHPLCを用いて精製した。精製したpolyphenolic proteinはHPLC上、単一のピ-クとして溶出され、SDS-polyーacrylamide gel電気泳動上、二重のバンドとして検出された。 2.精製したpolyphenolic proteinを酢酸溶液中でコラ-ゲン線維にコ-ティングした後、これを家兎の膝関節腔内に挿入し、経時的に走査電子顕微鏡を用いて表面構造の観察を行ったところ、挿入前と比べて殆ど変化は認められなかった。 以上の結果から、polyphenolic proteinは、関節液中に存在する各種proteaseの消化作用から組織を保護する作用を有することが強く示唆された。 今後は、polyphenolic proteinが関節内靱帯再建術における移行腱、靱帯などの組織保護剤として有効であることを検討するために、家兎の膝関節内にpolyphenolic proteinをコ-ティングした自家腱を用いて膝前十字靱帯を再建し、経時的に再建靱帯の形態学的検索および生化学的分析を行う。特に、生化学的検索については、採取した組織から可溶性ならびに不溶性コラ-ゲンを調整し、以下の項目についての分析を行う。 1.コラ-ゲンの含有量。 2.コラ-ゲン分子のアミノ酸組成。 3.コラ-ゲン線維の化学的安定性。 4.コラ-ゲンの還元架橋結合量。
|
Research Products
(1 results)