1989 Fiscal Year Annual Research Report
一過性虚血後脳充血の病態生理的意義と治療に関する研究
Project/Area Number |
01570866
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
立石 彰男 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (00155102)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 郁夫 山口大学, 医学部, 助手 (30145536)
石川 敏三 山口大学, 医学部, 助手 (90034991)
坂部 武史 山口大学, 医学部, 助教授 (40035225)
|
Keywords | 脳虚血 / 虚血性脳障害 / 虚血後再灌流 / 脳充血 |
Research Abstract |
本研究の目的:一過性脳虚血中および虚血後再灌流時の脳循環、代謝変動、生化学的変化について数多くの基礎研究がなされているが、その詳細な病態については不明な点が多い。再灌流時の循環動態に関しては、比較的短時間の脳虚血(15-20分以内の全脳虚血、2-3時間以内の局所虚血)後、10-30分間持続する全脳あるいは局所脳血流量増加(脳充血)がみられ、これに引き続いて低灌流状態(2次性脳低灌流)に陥ることがわかっている。この脳充血は脳組織への酸素供給を増加させ低酸素を改善するために不可欠であると考えられてきたが、最近再酸素化による細胞レベルでの障害(過酸化物質、アラキドン酸代謝物などによる)も明らかになってきた。本研究は、この脳充血が虚血後の神経学的、組織学的結果に及ぼす影響を検討することを目的としている。方法の概要;ネコで全脳あるいは局所脳虚血(中大脳動脈閉塞)を作成、一過性虚血の後、脳充血をきたした動物と、脱血あるいは薬物投与によって脳充血を抑制した動物の間で、神経症状、病理組織所見を比較する。再灌流状態、再灌流による虚血性代謝産物の消失速度をみるために、脳血流量、細胞外カリウムイオン濃度を測定する。本年度の研究成果:1)細胞外カリウムイオン濃度測定用の差動型エレクトロメ-タ-を作成し、10分間の虚血により平均50mMに増加することを確認した。2)ネコで14分間の全脳虚血後、前後頭葉皮質、海馬で10-50%の神経細胞壊死を認めた。本年度の計画:脱血、薬物投与による治療群を追加し、研究目的である脳充血の抑制の効果を検討する。
|
Research Products
(1 results)