1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570870
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
湯佐 祚子 琉球大学, 医学部, 助教授 (30032329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 孝甫 琉球大学, 医学部, 助教授 (20014350)
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Keywords | 脳虚血 / 虚血ー再潅流 / 活性酸素 / 脳血流量 |
Research Abstract |
1.ラット脳での不完全,完全脳虚血モデルの作成:ラットで両総頸動脈を30分間結紮した場合と,脱血又はATPにより平均動脈圧を30〜40mmHgに低下させた後両総頸動脈を15分間結紮した場合の皮質脳血流量をレ-ザ-組織血流量測定装置(ニ-ドル・プロ-ブ使用)で測定した。その結果両総頸動脈結紮のみの場合は30分後に脳血流量は対照値の59%と有意に低下し,不完全脳虚血モデルと考えられた。低血圧に両総頸動脈結紮を併用した場合は脳血流量は約5ml/min/100g以下となり,ほゞ完全虚血になると考えられた。ATPによる低血圧の場合は輸液過剰になるため不適当と考えた。 2.虚血後再潅流におけるラット脳in vivo,in situでのsuperoxide(O^-_2)発生:最近O^-_2と特異的に反応し強く発光するウミホタル・ルシフェリン誘導体(CLA,MCLA)が開発され,in vivo,in situ動物臓器で発生するO^-_2を化学発光として検出することが可能になったことから,この方法を利用して上記不完全,完全脳虚血後の再潅流時におけるO^-_2発生を脳血流量の変化と共に検討した。両総頸動脈結紮による不完全脳虚血30分後の再潅流では脳血流量は30分後に対照値の110%となった。脳血による低血圧に両総頸動脈結紮を併用した完全脳虚血15分後の再潅流では脳血流量は10分後に最高(対照値の212%)となり30分後には52%と近潅流状態となった。これら両モデルでの再潅流時にCLAを持続投与しながら化学発光を高感度化学発光検出器で再潅流後2時間迄測定したが,CLAー依存性以外の化学発光増加は検出されなかった。以上の結果より,脳虚血後再潅流2時間までの早期には細胞外液中でのO^-_2発生増加はないと考えられた(第38回日本麻酔学会総会発表)。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Koho MIYAMOTO: "Efflux of 5ーHIAA from 5ーHT neurons: A membrane potential dependent process" Physiology & Behavior. 47. 767-772 (1990)
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[Publications] 湯佐 祚子: "脳内モノアミン神経伝達物質の代謝に及ぼすアゾキシアの影響" 麻酔. 39. S441 (1990)
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[Publications] 湯佐 祚子: "Hypoxic lactic acidosisに対するNaHCO_3投与の脳血流量,頭蓋内圧に及ぼす影響" Pharmacoanesthesiology. B. 49-50 (1990)
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[Publications] 湯佐 祚子: "脳虚血後再潅流による脳血流量及びsuperoxide発生について" 麻酔. 40. (1991)