1989 Fiscal Year Annual Research Report
癌遺伝子の発現によるヒト腎癌の悪性度分類と遺伝子情報に基づく診断法の開発
Project/Area Number |
01570899
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
執印 太郎 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80179019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 吉信 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (10106312)
穂坂 正彦 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30106330)
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Keywords | ヒト腎癌 / 癌遺伝子発現 / Notrhern blot法 / c-myc / EGF Receotor / Retinoblastoma遺伝子 |
Research Abstract |
ヒト腎癌組織及び同一症例の正常腎組織よりTotal RNAを抽出し、Northern blot法で正常腎と正常腎と腎癌組織の癌遺伝子の発現を検討した。現在までに15症例の腎癌及び正常腎組織のTotal RNAが得られた。 (1)依然の我々のCancer Rosearch誌の報告で有意の発現の増加があると知られているC-myc及び、EGF Receptor遺伝子の発現をまず検討した。その結果、前回までに、Cancer Researc誌にまとめて発表した15例とあわせて、C-myc、EGF、Receptor遺伝子とともに、30例中で50%の症例で癌組織で有意の発現の増加がみられた。この結果はEGF Receptor遺伝子については最近、Cancer Research誌に他のグル-プより発表された論文の内容と完全に一致しておりEGF Receptor遺伝子の発現が半数のヒト腎癌で有意に増加しているという結果は確定的と考えられる。これらの各癌遺伝子と腫瘍の悪性度及び進行度との相関について検討中であるが、まだ確定的な結果は得られていない。 (2)今回の研究と関連して、網膜芽細胞腫より同定された癌抑制遺伝子である、Retinoblastoma遺伝子をサンジュゴ大学のリ-博士より供与されたので、ヒト腎癌における発現について検討した。その結果、癌組織、正常組織15例ではRetinoblastoma遺伝子は、ほぼ同量かつ同じ分子の大きさで発現されており、少なくともヒト腎癌ではRNAレベルではRetincblastoma遺伝子は関与していないと考えられた。 (3)ヒト腎癌の転移組織での癌遺伝子の発現の変化を同定すべく転移組織を集めて検討中であるが、現在までに十分の組織数が得られておらず発表するまでには至っていない。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Billings,C.,-P.,Shuin,T.et al: "Enhanced expression and state of the c-myc oncogene expression in chemically and X-ray transformed C3H10T1/2 mouse enbryo fibroblast" Cancer Research. 47. 3643-3649 (1987)
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[Publications] Kubota,Y.,Shuin,T.et al: "The enhanced labelling 32P labeling of CDP-diacylgrycerol in c-myc gene expressed human kidney cancer cells" FEBS Letter. 212. 159-162 (1987)
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[Publications] Yao,M.,Shuin,T.,Misaki,H.& Kubota,Y.: "Enhanced expression of c-myc and epdermal growth factor receptor(c-erbB-1)genes in premary human renal cancer" Cancer Research. 48. 6753-6757 (1988)
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[Publications] 石橋克夫,窪田吉信,矢尾正裕,執印太郎,穂坂正彦: "ヒト腎癌細胞への遺伝子導入の検討" 日本泌尿器科学会誌. 80. 1357-1361 (1989)
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[Publications] 三崎博司,執印太郎,矢尾正裕,窪田吉信,穂坂正彦: "ヒト精巣腫瘍におけるmyc遺伝子群の発現" 日本泌尿器科学会誌. 80. 1509-1512 (1989)
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[Publications] Shimizu,M.,Yokota,Y.,Mori,M.,Shuin,T.,et al: "Introduction of normal chromosome 3p modurates the tumorigenicity of a renal cell carcinoma cell line" Oncogene. 5. 185-194 (1990)