1990 Fiscal Year Annual Research Report
副睾丸機能の基礎的・臨床的研究に基づく、男性避妊法の開発に関する研究
Project/Area Number |
01570900
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
木下 裕三 横浜市立大学, 医学部(泌尿器科学), 講師 (00186298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 和美 横浜市立大学, 医学部(泌尿器科学), 助手 (10164675)
穂坂 正彦 横浜市立大学, 医学部(泌尿器科学), 教授 (30106330)
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Keywords | 5αーreductase / inhibitor / flutamide / ONOー3805 |
Research Abstract |
ヒト精巣上体ミクロリ-ムに局在する5αーreductaseについて、アンチアンドロゲン剤、特にリセプタ-阻害に有するフルタマイドを、非ステロイド性5αーreductase阻害剤であるONOー3805とその類似化合物の阻害効果をin vitroの実験で検討した。5αーreductaseの阻害に必要なそれぞれの化合物濃度は、10^<-8>M標識テストステロンを基質として代謝生成されるDHTと5αーandrostaneー3α,17βーdiol量を、これらの化合物の存在下と、非存在下で比較し、IC_<50>を求めた。まず、フルタマイドについては、10^<-6>〜10^<-5>Mの高濃度領域においても、その阻害効果は極めて弱いもので、フルタマイドの5αーreductaseに対する直接作用としての阻害効果は実質上認められないものと結論された。一方、ONOー3805は5αーreductaseを10^<-8>〜10^<-6>Mで濃度依存性に阻害したが、ONOー3805の類似化合物4種については10^<-6>〜10^<-5>Mで5αーreductaseを抑制しており、阻害に要する濃度は、後者は前者の約10〜100倍を必要とした。ONOー3805については、ヒト精巣上体5αーreductaseに対する直接作用としての阻害効果が強く認められた為、LineweaverーBurk法によって酵素阻害形式を検討した。その結果、ONOー3805のヒト精巣上体5αーreductaseの阻害形式は、非競合型で、阻害定数(Ki)は9×10^<-8>M前後であった。同酵素のテストステロンに対する親和性Kmは8.6×10^<-9>Mであり、これらの成績から判断すると、ONOー3805の5αーreductaseに対する酵素親和性は、基質のそれに対して約10倍低いものの、阻害形式が非競合型であることから、高濃度のテストステロンが存在する条件下でも有効に阻害効果を示すことが可能とみられる。以上の結果は本年度内分泌学会総会に於て発表した。
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