1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570901
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
内田 睦 京都府立医科大学, 医学部(泌尿器化学), 助手 (70168706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 裕治 京都府立医科大学, 医学部(泌尿器科学), 助手 (10198046)
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Keywords | 腎腫瘍 / 経皮的腎穿刺術 / 凍結手術 |
Research Abstract |
1.腎腫瘍穿刺用凍結端子の開発。 凍結端子としては当初、長さ15cm、直径2mm程度の大きさを予定したが、N_2Oガスによる凍結力を効率よく伝達させるためには、最低限直径7mmの太さを必要とした。今回新たに開発した凍結端子の構造は、長さ25cm直径7mmの端子の先端30mmの部位に凍結用チップを取り付け、断熱材を使用した直径8mmの外套に装着できるものである。 開発された凍結端子の性能は、40℃恒温水槽中で5分間凍結時に直径30mmの氷塊が作製でき、十分臨床に応用できるものであることが確認された。 2.ブタ腎組織に対する凍結手術の影響。 摘出されたブタ腎を脱血したのち、腎動脈から40℃の温水を500ml/分持続注入し,かつ40℃恒温水槽内に浸した状態で、ブタ腎を穿刺し凍結端子を挿入して凍結術を施行した。この際、凍結術時間は、5分、10分、15分、20分、30分とし、その後の腎組織に対する影響を、肉眼的ならびに組織学的に検討した。 その結果、凍結5分〜10分で、組織は直径30mmの氷塊となり、肉眼的にも組織学的にも凍結壊死に陥っていた。氷塊周囲の組織は、氷塊から10mm離れた部位では、壊死に陥っていなかった。また腎表面の温度は、40℃を保っており、腎周囲組織には、凍結術の影響はそれほどないものと推定された。 これらの結果により、生体内で凍結術を施行する際には、凍結時間は5〜10分あれば十分であり、また安全に施行できることが確認された。
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