1989 Fiscal Year Annual Research Report
ド-パミン(DA)の視床下部-下垂体系ならびに卵巣への作用機構-DAの培養顆粒膜細胞におけるステロイド産生ならびに正常婦人、閉経高齢婦人、および排卵障害婦人の各種血中ホルモンへの影響について-
Project/Area Number |
01570911
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 俊誠 北海道大学, 医学部, 助教授 (40002216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 征一郎 北海道大学, 医学部, 教授 (60001898)
林 宏 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (30208631)
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Keywords | ド-パミン / 顆粒膜細胞 / 卵巣ステロイド / 多嚢胞卵巣症候群 / 早発卵巣不全 |
Research Abstract |
(1)ヒトおよびブタの培養顆粒細胞(GC)におけるprogesterone(P_4)およびestradiol(E_2)合成はdopamine(DA)ならびにそのD_2アゴニストであるLY171555(LY)によって抑制されることを明らかにし、その成果については平成2年4月に開かれる日本産科婦人科学会において発表する。 (2)多嚢胞卵巣症候群(PCOD)婦人から得られたGCにおけるP_4,E_2産生はDAにより強く抑制されること、およびPCOD婦人の卵巣は正常性成熟婦人の卵巣とは異なりDAが免疫染色されないことを明らかにした。血中のDA代謝物質の濃度がPCOD婦人において低いこととあわせて、PCODの発症メカニズムを考える上での重要な知見といえる。 (3)DAの点滴静注後に連続的に採血し、各種のホルモンを測定することにより以下を明らかにした。 (i)正常婦人においては、PFLだけでなくLHも著明に減少する。 (ii)閉経後婦人(PMP)においては、PRLは減少するが、LHはほとんど低下しなかった。一方、DA負荷前のゴナドトロピン値がPMPとほぼ同じ(LH,FSHとも高値、LH/FSH比が1.0>)である早発卵巣不全(POF)婦人においてはPRL,LHとも正常婦人と同様の減少パタ-ンを示した。PMPとPOP婦人のDA負荷後のLH反応の違いは、血注E_2レベルの違いであることを明らかにした。 (iii)DA点滴静注中にDA受容体の拮抗薬であるメトクラロプラツイド(MCP)を負荷することにより、PCOD婦人においては脳内DAレセプタ-が減少していることを明らかにした。
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