1990 Fiscal Year Annual Research Report
ド-パミン(DA)の視床下部ー下垂体系ならびに卵巣への使用機構
Project/Area Number |
01570911
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 俊誠 北海道大学, 医学部, 助教授 (40002216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 征一郎 北海動大学, 医学部, 教授 (60001898)
相原 稔彦 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (70222461)
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Keywords | ド-パミン / 顆粒膜細胞 / 卵巣ステロイド / 多嚢胞卵巣症候群 / 早発卵巣不全 |
Research Abstract |
ヒトの卵巣におけるcatecholaminesの存在に関しては、現在までのところ信頼できる報告が少なく不明である。本研究ではcathecholaminesの1つであり、prolactinーinhibiting factorであるdopamine(DA)がヒト卵巣において免疫組織化学的に証明されるか、証明されるとすれば卵巣内のどこに染色されるか、について検討した。 各種の開腹手術をうけた年齢16〜52歳の患者9例の卵巣の一部をBouin's fluid(ブアン液)で固定後にパラフィン切片を作成し、抗DA血清(2000〜40000倍)を用いてPAP法により免疫染色し、以下の結果を得た。なお、卵巣の一部を本実験に使用することについては、予め本人ならびに家族より同意を得た。(1)黄体期および排卵期に採取された卵巣では内莢膜細胞に局存して染色された。(2)黄体組織のみについて検討した症例では、黄体細胞に染色された。(3)多嚢胞卵巣症候群(PCOD)の婦人でも内莢膜細胞に染色された。(4)卵胞期初期の卵巣では、原始卵胞の細胞質に染色された。(5)閉経後の婦人の卵巣では染色されなかった。 本研究における免疫組織化学的染色法がDAに対して特異的であることは、抗DA血清をDAで吸収させた後では免疫反応が消失すること、およびcontrol血清では染色されなかったこと、より証明された。 本研究によりヒト卵巣ではDAは黄体化が完了している、もしくはその過程にある内莢膜細胞ならびに黄体細胞に染色されることが始めて明確に証明された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 田中 俊誠: "Dopamineの卵巣機能におよぼす影響について" 産婦人科治療. 62. (1991)
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[Publications] Tanaka,Toshinobu: "Recent Advances in Basic and Clinical Research in Ovarian Function" Raven Press, (1991)