1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570924
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小林 隆夫 浜松医科大学, 医学部, 講師 (20107808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 助手 (70204550)
西口 富三 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30198452)
住本 和博 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30126817)
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Keywords | Protein C activation peptide(PCP) / D-Dimer FDP / Throbin-ATIII complex(TAT) / α_2-Antiplasmin-Plasmin complex(PIC) / Protein S / APC-α_1AT coplex / Plasminogen activator inhibitor 1(PAI-1) / Plasminogen activator inhibitor 2(PAI2) |
Research Abstract |
妊娠中毒症における凝固線溶系の異常を明確にするために、非妊時、正常妊娠、産褥における凝固線溶系の変化を知り、さらにはDICにおける変化も併せ比較検討した。結果の概要は以下のとおりである。 1.正常妊娠ではATIII活性、抗原とも非妊時と変化はなかったが、中毒症やDICでは低下した。α_1AT抗原は妊娠すると非妊時より有意に増加したが、中毒症、DICとも正常妊娠と変化はなかった。 2.PCPは中毒症では正常妊娠より増加し、DICではさらに有意に増加した。 3.D-Dimer FDPは正常妊娠でも後期になると有意に増加しはじめ、産褥期はさらに増加した。また中毒症やDICでは著増した。 4.Thrombin-ATIII complexは正常妊娠でも妊娠週数の増加に伴い有意に増加したが、中毒症やDICではさらに増加した。α_2-Antiplasmin-Plasmin complexは妊娠中は非妊時と変化なかったが、産褥気に有意に増加、中毒症やDICでも増加した。 5.PCIは妊娠中は非妊時と変化はなかったが、中毒症でやや低下し、DICでは有意に低下した。 6.Protein Cは正常妊娠、中毒症では変化なく、DICで有意に低下した。Protein Sは妊娠経過に伴い有意に低下したが、中毒症やDICでの低下は著明ではなかった。 7.APC-PCI complexはDICで証明されたのみであったが、APC-α_1 AT complexは妊娠経過に伴い有意に増加した。また中毒症やDICではさらに増加した。 8.PAI1は妊娠中期より増加し、後期には有意に増加したが、産褥期で非妊時の値に復した。PAI2は非妊時検出感度以下であったものが、妊娠経過に伴い著増し、分娩後著減した。中毒症やDICでは有意に低下した。 以上より正常妊娠時は凝固亢進・低線溶、産褥では線溶亢進状態であることがわかった。一方中毒症では正常妊娠時よりさらに凝固が亢進するが、線溶亢進はある程度抑制されること、DICでは凝固亢進が著明に起こり、その結果線溶亢進も著明となることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 寺尾俊彦: "Protein C activation peptideの測定とその意義" 東海プラスミン研究会誌(第27回〜28回). 28. 46-50 (1989)
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[Publications] Takao Kobayashi: "Protein C inhibitor and its complexes in normal pregnant and preeclamptic pregnant plasma" Thromb Haemostas. 62. 302 (1989)
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[Publications] 小林隆夫: "妊娠時の過凝固状態に関する検討" 日産婦誌(臨時増刊). 42. 378 (1990)
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[Publications] 中島彰: "正常妊娠及び妊娠中毒症におけるPAI1及びPAI2の推移" 日産婦誌(臨時増刊). 42. 379 (1990)