1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570924
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
西口 富三 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30198452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 助手 (70204550)
住本 和博 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30126817)
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Keywords | Coagulation Index / Clinical Index / AT III / α_2ーantiplasminーplasmin complex(PIC) / Dーdimer FDP / Canonical correlation analysis / edema / proteinuria |
Research Abstract |
平成2年度は元年度で測定できなかった項目や症例数を増やし、妊娠中毒症における凝固線溶系動態をとくに正常妊娠時と比較検討した。多数の凝固線溶系因子を測定したが、その中でもとくに臨床症状と有意な相関をもつ因子を正準相関分析を行って解析した。その結果は以下のとおりである。 まず全因子における正準相関係数を求め、凝固線溶因子で表される指標をCoagulation Index、臨床症状で表される指標をClinical Indexとした。次にCoagulation IndexとClinical Indexとの間で最も高い相関が得られる因子をそれぞれ3つに限定したところ、凝固線溶系因子では、ATIII抗原(ATIII)、α_2ーantiplasminーplasmin compex(PIC)、Dーdimer FDP(Dーdimer)が、臨床症状では、浮腫(E)、蛋白尿(P)、収縮期血圧(SBP)が選定された。そこでこれらの因子によって次のような正準相関が得られることがわかった。即ち、Coagulation Index=ー0.0685(ATIII)+0.816(PIC)+1.219(log 10 Dーdimer)+1.519、Clinical Index=0.578(E)+0.465(P)+0.0188(SBP)ー4.565である。これらのIndexにそれぞれの症例における数値を代入し、スコアを求めると、重症妊娠中毒症ではCoagulation IndexもClinical Indexも共に0以上となり、しかも重症な程スコアが大きくなり、妊娠中毒症症状と凝固線溶系異常が相関していることが明確になり、しかも数値化できることが明らかとなった。また正常妊娠では妊娠週数とともにCoagulation Indexのみ増加することが判明し、平成元年度の報告の結果とも一致した。 以上の如く妊娠中毒症の凝固線溶系動態の異常が正準相関係数により数値化して表現され、ますますこれらの病態が明らかになった。平成3年度は妊娠中毒症の治療を中心に研究を行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小林 隆夫: "正常妊娠および異常妊娠時における凝固線溶動態" 東海血栓セミナ-報告集(第31回,第32回).
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[Publications] TAKAO KOBAYASHI: "ANALYSIS OF COAGULATION/FIBRINOLYSIS ABNORMALITIES IN PREECLAMPTIC PATIENTS" Protease Inhibitors.Elsevier Science Publishers B.V.177-186 (1990)