1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570924
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
西口 富三 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30198452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 助手 (70204550)
住本 和博 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30126817)
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Keywords | ATIII / α_2ーAntiplasminーPlasmin complex / DーDimer FDP / Gestosis Index(GI) / ATIII療法 |
Research Abstract |
我々は従来より正常妊娠時をはじめ妊娠中毒症における凝固線溶動態を種々のパラメ-タ-を用いて測定してきた。測定したパラメ-タ-はATIII、α_1AT、PT、APTT、血小板、DーDimer FDP、Protein C、Protein S Protein C activation peptide(PCP)、Protein C inhibitor(PCI)、ThrombinーAT III complex(TAT)、α_2Antiplasmin Plasmin complex(PIC)、Activated Protein C(APC)ーPCI complex、APCーα_1AT complex、tPA、uPA、PAI 1、PAI 2などの凝固線溶系因子であり、これらと血圧、蛋白尿、浮腫などの臨床症状および胎児所見などとの関連性についても検討を加えた。その結果正準相関分析によれば、凝固線溶系因子で表されるcoagulation Indexと臨床症状で表されるClinical Indexとの間には高い相関が得られ、特に因子を限定するとCoagulation IndexではATIII、PIC DーDimer FDP、Clinical Indexでは収縮期血圧、蛋白尿、浮腫が因子としても最も有用であった。すなわち妊娠中毒症における臨床症状と凝血学的異常の間には相関がみられ、少なくとも凝血学的異常は妊娠中毒症病態を悪化させていることが明確になった。従って妊娠中毒症病態の改善には抗凝固線溶療法によって凝血学的異常を改善させることが重要である。我々は抗凝固療法としてATIII療法、ヘパリン療法、ATIIIーヘパリン療法などが、線溶療法としてウロキナ-ゼ療法、tPA療法、APC療法などが有用と考えているが、今回はATIII療法を中心に検討を加えた。対象は重症妊娠中毒症(GIスコア6点以上)で純粋型のものに限定し、ATIII1000単位、1500単位、3000単位/日を7日間静注し、前述の各Indexをはじめ胎児所見の推移をみた。その結果ATIII投与症例の多くは各Indexが改善し、胎児発育も良好に改善したため凝血学的異常が主体の純粋重症妊娠中毒症にはATIII投与が有効と考えられた。今後はAPC投与による血管内皮細胞異常の改善や血栓溶解療法を中心に検討していきたい。
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Research Products
(1 results)