1989 Fiscal Year Annual Research Report
胎児(胎芽)発育環境におけるαANPの生理的意義に関する研究
Project/Area Number |
01570925
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
杉山 陽一 三重大学, 医学部, 教授 (30093131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅谷 健 三重大学, 医学部, 助手 (60206399)
西山 真人 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (10218224)
山本 稔彦 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80135459)
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Keywords | 心房性ナトリウム利尿ペプチド / 栄養膜細胞 / 脱落膜細胞 / サイクリックヌクレオチド / 卵膜 |
Research Abstract |
1)免疫組織化学的手法を用いて、胎児発育環境におけるαーatrial natriuretic peptide(αANP)の局在性について検討した結果、(1)絨毛膜板内の栄養膜細胞層、(2)卵膜の栄養膜細胞層、(3)羊膜上皮細胞、(4)脱落膜細胞層にその局在を認めた。しかも、脱落膜細胞には、αANPに対する染色性の違いからsubpopulationの存在することが示唆された。 2)我々が独自に開発した比重遠心法を用いて妊娠初期脱落膜細胞を分離し、αANPの特異的受容体について解析した結果、ヒト脱落膜細胞には高親和性かつ単一の特異的受容体が存在することが明らかとなった。 3)妊娠初期の脱落膜細胞培養系を確立し、αANPによるguanosine3':5'ーcyclic monophosphate(cGMP)の産生能に及ぼす影響を検討した結果、αANPは経時的かつ用量依存性にcGMPの産生を促進することがわかった。 4)脱落膜細胞における〔^3H]ロイシンの取り込み実験を施行した結果、αANPは細胞内へのロイシンの取り込みを助長することがわかった。したがって、αANPは脱落膜細胞の蛋白合成に対し、促進効果を有しているものと考えられた。 5)羊膜の浸透圧調節・電解質代謝におけるαANPの作用を検討する目的にて、ヒト卵膜をdouble chamberの隔壁としてmountl.母体側hemiーchamberにαANPを添加して検討したところ、αANPは母体側hemiーchamberおよび胎児側hemiーchamber間において浸透圧較差・電解質較差を惹起することが明らかとなった。
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[Publications] 西山真人: "胎児発育環境におけるαーAtrial Natriuretic Peptide(αANP)の局在性ならびにその生理作用に関する検討" 日本受精着床学会雑誌. 7. (1990)
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[Publications] Motoaki HAMAGUCHI: "Production of Prolactin by Cultures of lsolated Cells from Human Firstーtimester Decidua" Obstet.Gynecol. (1990)