1989 Fiscal Year Annual Research Report
インタ-ロイキン6(ILー6)のヒト胎盤に対する増殖分化能の解析
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01570930
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
亀田 隆 大阪大学, 医学部, 助手 (70204641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古山 将康 大阪大学, 医学部, 助手 (00183351)
松崎 昇 大阪大学, 医学部, 助手 (30199781)
佐治 文隆 大阪大学, 医学部, 講師 (90093418)
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Keywords | ヒト胎盤 / インタ-ロイキン6 / 絨毛細胞 |
Research Abstract |
我々はヒト胎盤におけるILー6産生分泌の有無、およびその妊娠期間における量的変化の検討をILー6 dependent cell lineを用いたbioassayを用いて行った。その結果、卵巣や子宮はどの組織培養においてはILー6産生を認めなかったが、胎盤ではその産生を認めた。またその分泌量は、妊娠全期間を通じてほぼ同量と考えられた。ヒト胎盤は種々の細胞より構成されているが、ILー6がいずれの細胞に局在しているか免疫組織学的に検討した。その結果、ILー6は胎盤の絨毛細胞、特にsyncytiotrophoblastに局在していることが判明した。以上の胎盤におけるILー6産生分泌およびILー6の組織局在に関しては、雑誌PLACENTAの4月号に掲載予定である。 絨毛細胞のhCG分泌はその増殖と深く関連すると言われているが、次に我々はILー6が胎盤の絨毛細胞のhCG産生分泌を促進するか否かについて検討を行った。まず、絨毛細胞にILー6のreceptorが発現されているか否かを免疫組織学的に検討し、ILー6 receptorの絨毛細胞における局在を確かめた。絨毛細胞におけるILー6刺激によるhCG産生分泌能は、既に判明しているGnRHによるhCG産生分泌促進の系と比較して検討を行った。その結果、絨毛細胞はILー6刺激によりhCGを分泌促進し、その分泌量はGnRH刺激によるhCG分泌量とほぼ同等量であることが判明した。以上の絨毛細胞におけるILー6 receptor局在と、ILー6によるhCG分泌促進に関する報告は、雑誌J.Clinical Experimental Medicineの7月号に掲載予定である。
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[Publications] T.Kameda: "Production of Interleukinー6 in Human Placenta" PLACENTA. (1990)
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[Publications] E.Nishino: "TrophoblastーDerived ILー6 Regulate Human Chorionic Gonadotropin Secretion Through ILー6 Receptor on Human Trophoblasts" J.Clinical Experimental Medicine. (1990)