1991 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頸癌広汎全摘手術症例におけるCDDP術前動注化学療法の基礎的臨床的検討
Project/Area Number |
01570931
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
関場 香 岡山大学, 医学部, 教授 (90033042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中桐 善康 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (40136007)
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Keywords | 子宮頸癌 / 動注化学療法 / シスプラチン / 術前化学療法 / 子宮頸癌広汎手術症例 |
Research Abstract |
1.術前動注化学療法症例と技術単独症例の病巣の広がり及びリンパ節転移率の検討では,昭和50年1月より昭和54年12月までの子宮頚部扁平上皮癌IIb期,広汎子宮全摘術症例183例を対照群として比較検討した。子宮外浸潤陽性(子宮傍組織,腟壁)例は,動注群で29.7%(11/37)であり,対照群の63.9%(117/183)と比べて有意に低率であった。手術摘出物におけるリンパ節転移率についてみると,動注群で,24.3%(9/37)と対照群の34.4%(63/183)に比べ低率であったが有意差は認められなかった。また,動注群でリンパ節転移を認めた9例において転移部位で一部に組織学的効果を認めた。 2.子宮頚部病巣のEGFreceptor(EGFR)の検討では,腫瘍径とEGFR量については腫瘍径が大きい程EGFR量が多い相関がみられた。腫瘍縮小率とEGFR量については,治療にともなう腫瘍縮小率が大きい程治療前EGF縞量が少ない傾向が認められた。EGFR減少率と腫瘍縮小率との関連は不明である。EGF縞減少率と組織型との関連は認めない。リンパ節転移陽性例では,EGFR減少率が小さい傾向が認められる。また,EGFR量が100fmol/mg prot.以上の症例では腫瘍縮小率が劣る傾向が認められる。 3.動注化学療法に対する早期治療効果判定における経時的組織学的検討では,動注後腫瘍消失群と腫瘍残存群の2群に分けると腫瘍消失群では,動注後3週目で80%の症例で,6週目では全例viable cellを認めなかった。一方,腫瘍残存群では,3週目で40%,6週目で60%にviable cellを認めなかった。腫瘍細胞密度についてみると,腫瘍消失群では3週目までにほぼ直線的に減少したが,腫瘍残存群では1週後に低下がみられたが,以後ほぼ同じ比率で推移した。
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Research Products
(2 results)