1989 Fiscal Year Annual Research Report
胎盤性サルファタ-ゼ欠損症の遺伝学的検討並びに診断・治療法の確立
Project/Area Number |
01570940
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
矢内原 巧 昭和大学, 医学部, 教授 (70102308)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平戸 久美子 昭和大学, 医学部, 助手 (00102301)
|
Keywords | 胎盤性サルファタ-ゼ欠損症 / サルファタ-ゼ / 胎盤 / 白血球 / 魚鱗癬 / エストロゲン排 |
Research Abstract |
胎盤性sulfatase欠損症(PSD)は胎盤ステロイド産生酵素が欠除する極めて稀な代謝異常である。妊娠中低estriol排泄より本PSDを疑ったものの中で胎盤酵素活性を測定した症例中より、新たに7例の本症を確定診断し得た。その内1例は一卵性双胎妊娠で、これは世界で初めての症例である為、平成2年度の学会で発表予定である。平成元年度の設備備品でア-チ型電気泳動装置、エッペンドルフピペット等を購入したので、これを用い新たなPSD母児検体でのリポ蛋白電気泳動及び母児白血球中sulfatase活性を測定した。双胎妊娠例を含め本症出生時血清の電気泳動像はRf値が高く、正常者と異なった。又、白血球中酵素活性も出生児は感度以下、母体は正常女子より有意に低値を示した。又、比較の為皮膚疾患の魚鱗癬患者に関しても上記2項目に関し検討を加えた。本症例に付きこれら魚鱗癬の発生状況、家族歴、その他の臨床異常発生の有無に関し、引き続き主にアンケ-ト方式で疫学的検討を行っている。更に平成2年度以後の研究計画である胎盤sulfatase酵素の分離・精製・純化をめざして、静岡県立大学薬学部生物薬品化学教室(矢内原昇教授)の施設並びに備品を共同利用し、本実験を進めたいと考える。そこで平成元年度の予算で、平戸及び教室員が、静岡へ打合せ会議及び実験の為出張した。静岡県立大学のコ-ルドル-ムを利用し胎盤酵素を可容化しSepharose等の4種カラムで純化・精製を行う予定である。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] 鈴木隆,平戸久美子,斉藤裕,矢内原巧,真井康博,真井徳幸: "胎盤性サルファタ-ゼ欠損症の双胎例" 日産婦関東連合会誌. (1990)