1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570964
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
石井 哲夫 東京女子医科大学, 耳鼻咽喉科, 教授 (30082126)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 敬子 東京女子医科大学, 耳鼻咽喉科, 助手 (60184743)
山本 信和 東京女子医科大学, 耳鼻咽喉科, 助手 (90191428)
児玉 章 東京女子医科大学, 耳鼻咽喉科, 助教授 (70082287)
高山 幹子 東京女子医科大学, 耳鼻咽喉科, 助教授 (80075481)
|
Keywords | ミクロテンションテスタ- / 鼓膜 / 膜迷路 / 膜の強度 / 破断限界 / 力学的特性 |
Research Abstract |
昨年製作した微小荷重測定可能な引張試験機(ミクロテンションテスタ-)を実際の実験に応用するため記録計を設置し、これを用いて測定に関する基礎実験を行った。その結果10^<-1>〜10^<-2>gまでの測定に十分応用できることが判明した。 この機械を用いてモルモット鼓膜の力学的性質の検討を行った。測定に際しては、ホルマリン固定と新鮮、引張方向、引張速度などを変化させ種々の実験を行った。その結果、モルモット鼓膜では新鮮の方がホルマリン固定より強いこと。放射状線維に平行に引張する方が直角に引張するより強いこと。測定範囲の引張速度では破断限界に変化が認められなかったことが判明した。この成果をまとめて学会発表し、また論文にまとめて投稿した。 ヒト鼓膜については検体の入手が困難なためホルマリン固定のみで力学的性質を測定した。この結果をモルモット鼓膜の結果を用いて新鮮に換算し、ヒト鼓膜の力学的性質を推定した。ヒト鼓膜では測定個数が少なかったため詳しい検討は行えなかったが、強度では放射状線維に平行方向が直角方向より強かった。 ヒト鼓膜迷路では、やはりホルマリン固定で検討した。膜迷路は強度が非常に弱い点、測定条件を特別にしなければならなかった点など困難はあったが、測定は施行でも、結果は学会発表した。 以上の検索に際し、測定をより精密に行うためにはミクロテンションテスタ-を改良した方が良い点がいくつか発見されたため、現在検討中である。またこの結果を実際の臨床にどのように応用していくかについても考察中である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 山本信和,石井哲夫,町田輝史: "ヒト膜迷路の力学的性質" Equilibrium Res Suppl. 5. 46-50 (1989)
-
[Publications] 山本信和,石井哲夫,町田輝史: "モルモット鼓膜の力学的性質" Ear Research Japan. 20(1). 123-124 (1989)
-
[Publications] 成田七美,高山幹子,山本信和,石井哲夫: "モルモットとヒトの鼓膜の線維走行" Ear Research Japan. 20(1). 127-128 (1989)
-
[Publications] 山本信和,石井哲夫,町田輝史: "モルモット鼓膜の力学的性質" Ear Res Japan. 21. (1990)
-
[Publications] 成田七美,高山幹子,山本信和,石井哲夫: "モルモットとヒトの鼓膜の線維走行" Ear Research Japan. 21. (1990)
-
[Publications] 上戻啓祐,児玉章,石井哲夫,大平泰行,木村元俊: "滲出性中耳炎の鼓膜病理所見ー中耳所見との比較ー" Ear Research Japan. 21. (1990)